#東京医科大学
既存抗生物質「アジスロマイシン」による強力なオートファジー阻害の構造解明 がん治療応用に期待
◎がん細胞はオートファジーにより成長、薬剤耐性を獲得
◎マウスへの経口投与でがん増殖抑制を確認
分子標的薬、抗がん剤との併用で効果増強が期待

配信:紀伊民報
https://www.agara.co.jp/article/260983?rct=mizu

 

オートファジーと言えば、日本人がノーベル賞受賞で一躍注目されたものですが、こちらはなんとがん細胞の増殖や薬剤耐性にも関与しているということで、良くも悪くも、というもののようです。

 

がんの増殖抑制が期待されるオートファジー阻害薬として、これまでは「ハイドロキシクロロキン」という抗マラリヤ薬がありました。

ところが、こちらは副作用がきつすぎるということで、他の候補が待ち望まれていたようです。

 

そこで、強力なオートファジー阻害活性を示していた「アジスロマイシン」の研究が進められていたわけですが、マウス試験での成績に加えて、その阻害作用機序が明らかになったとのことで、論文化されたということです。

 

既存の抗菌薬、つまり抗生物質で、これまで使用されてきた実績がありますから、安全性についてはコントロール範囲にあるということでしょう。

 

そして、がん治療としては、抗がん剤や分子標的薬との併用での効果が期待出来るということですから、期待は高まります。

 

臨床現場に登場したものの、なかなか大きな成果が出なかった免疫チェックポイント阻害薬も、ここのところ、併用での効果増強が期待出来る技術が出てきています。

 

これからのがん治療の発展は確実だと言えます。