#胃がん #がん電話相談
胃がんステージⅡ 抗がん剤の副作用が心配
・70代女性 腹腔鏡手術で2/3切除、リンパ節転移あり
A:再発の可能性は低いがゼロではない・抗がん剤実施で5年生存10%UPのデータあり 他
記事リンク↓ 配信:産経新聞
胃がん患者さんにこそためになる内容だと思いますが、私が一つ見るべきポイントとしたのは、抗がん剤実施で5年生存10%アップ、です。
先日、某記事をピックアップして「抗がん剤が意味がないわけがない」という意見を書いたところ、他のSNSで反論的なメッセージを頂きました。
これだけネットで情報が溢れかえっていますし、ネットはある程度は言いたい放題なところがありますから、抗がん剤悪についても散々見てきました。
それをどう取るのかは個人の判断ということになりますが、抗がん剤を「百害あって一利なし」というような、たばこと同じ扱いに貶めるようなメッセージを頂き、私としては、やや頭に来ていました。
少なくとも、標準治療で用いられている抗がん剤は、臨床試験にて効果があると確認されているものです。
従って、いくらひたすら儲けたい一心の製薬会社やお医者がいたとしても、それで好き放題薬を患者さんに処方出来るわけではありません、当然。
臨床試験で有意とされる効果については、完治すること、に限りません。
主には、数百人規模の患者さんを対象に、その抗がん剤を使用することで、〇年生存期間や再発・転移なく生存出来た期間などが、それまで標準治療とされていた薬よりも長くなることを指しています。
そのことが統計的に有意であることと、使用する上での一定の安全性(危険性の度合いということになりますが)が確認された抗がん剤が、標準治療の候補となっていくわけです。
統計的に、を言い換えると、一定の病気・病状の患者さんに・一定の割合で・一定の効果がある、ということであり、全てのがん患者さんに・10割の割合で・がんが治る、と言っているのではありません。
ですから、患者さん個人をとってみれば、確かに効果が出ないケースもあると断言出来ます。しかし、ある患者さんには効果があるという断言も可能ですね。
ただ、抗がん剤は確かに体への負担は大きいので、出来れば使わない方が良い、というのはわかります。まだまだ現状は、「毒をもって毒を制する」というコンセプトからは離れられないものだからです。
ゆえに、その体の負担をケアしていくこともまた重要になってきますが、私も仕事という点ではそちら側に属している者ということもあり、それはそれ、として受け止めて重要だという認識でいます。