【記事リンク↓】配信:NHK
【抜粋】
独自の主張でがん医療の在り方に一石を投じた医師の近藤誠さんが13日に亡くなりました。73歳でした。
近藤さんは1948年に東京都で生まれ、慶応大学医学部を卒業後、慶応大学病院でがんの放射線治療を行い、乳がんの治療で乳房全体を手術で切除することが多かった1980年代に、乳房を温存する治療法を提唱しました。
その後1996年に出版された著書『患者よ、がんと闘うな』はベストセラーになり、独自の主張でがん医療の在り方に一石を投じることとなりました。
一方で、近藤さんの抗がん剤治療などに対するスタンスには、がんの専門医から科学的な根拠に基づいていないなどという批判が多く出されていました。
関係者によりますと、近藤さんは13日、出勤途中に突然体調を崩し、搬送された都内の病院で虚血性心不全のため、亡くなったということです。73歳でした。
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「がんもどき」の近藤先生がお亡くなりとのことで、少し驚きました。
73歳ということで、まだお若いのに。
近藤先生のご主張
「がんには「本物のがん」と「がんもどき」があって、後者の場合は積極的に治療などする必要がない」
主にはこのようなところかと思います。
2003年頃ですが、私の知人の奥様が乳がん診断を受け、近藤先生のセカンドオピニオンを受けたのか、それとも本を読んだのかはっきりはしないですが、とにかく近藤先生の影響を受けて治療をしない選択をされたのですが、短い期間でリンパ節などに転移して、わりと早くに亡くなられました。
だから、私としては、近藤先生のお話に耳を傾けるのは危険ではないか、という思いをずっと持っています。
倫理上の問題があって、
「がんもどき」らしきがんに対して治療をしない場合と、治療を実施した場合の2年生存率の試験、など出来るわけがないのですから、いつまでたってもシロクロがつけようがないことを近藤先生はご主張されておられたのです。
あくまで私個人の主観ですが、確かに進行が遅かったり進行しないような「がんもどき」というのは存在すると思います。そして、その場合は積極的に治療する必要はないのでしょう。
しかし、そもそも「本物のがん」と「がんもどき」を明確に区別する基準があるわけでもなし、「がんもどき」にも種類があるはずです。
それを、「”治療しない”という選択をしてみよう」ではちょっと・・・・だと思うのです。
とは言え、年齢や病期を検討した上で、化学療法を積極的に続けるべきなのか、やめて観察すべきなのか、どちらの方が結果的に長く生き、生存期間を有意義に過ごせるのかを考えるフェーズにおられる方も大勢おられます。
近藤先生の”治療をしない”選択とは少し違いますが、治療に続く治療が正義というわけでもあないのも確かですね。
その点で、近藤先生が投じられた一石はあったと思いたいところです。