配信:日刊ゲンダイヘルスケア

がん患者さんの心の動きについて、駒込病院の佐々木常雄先生が寄稿されています。
もうこれは、一つのエッセイ。ぜひサイトで全文お読みください。


【抜粋】十二指腸がんで3年前に手術を受けたCさん(70歳・男性)のお話です。

がんはすべて取り除くことができて、担当医は「大丈夫。定期の検査だけはしましょう」と言ってくれています。それでも、手術前に比べて体重が10キロほど減ってしまい、いつまでたっても戻りません。1~2キロの変動はあっても、やはり減ったままです。

翌日は一日中、雨でした。そして今日は玄関前の車庫の屋根裏にツバメが2羽、飛んできました。2年前も、去年も同じことがありました。

夜、そっと玄関前を見ると、寄り添った2羽のツバメがいました。帰るところがないのだと思いましたが、そのままにしました。

気持ちがツバメに向かうと、毎日心配していたお腹の痛みを感じませんでした。あれほど、「腹の中に何かある。がんの再発ではないか? 何かあるぞ」と思っていたのですが……。

心身症、私はそうなのだろうと思います。きっと心身症、自分でも分かっているのです。でも、どうにもなりません。2羽のツバメが、私の心を救ってくれたのでしょうか?