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お医者様に対しての記事、と言えるかも知れません。

患者さんとしても、療法や薬剤決定の背景の記事、と言えます。

 

【抜粋】

がん治療の現場では、「薬の効果」に関する解釈の違いから、医師と患者さんの考えがすれ違うことがある

例えば、ある抗がん剤がどのくらいの効果を持っているかについて考えるとき、医師はしばしば、統計学的な数値を頭に思い描く

◆効果の数値いろいろ
「奏効率」という言葉
同じ条件の患者さんに薬を投与したとき、どのくらいの割合の人に効くかを表す数字

 

「5年生存率」という言葉
同じ条件の患者さんを集め、その経過を追跡したとき、治療を始めてから5年後にどのくらいの人が生きているかを示す数字
この数字を比べることで、治療の効果を比較する

「5年無再発生存率」というのもある

治療開始から5年後にどのくらいの人が「再発せずにいるか」を示す数字

抗がん剤治療によって再発せずにいられる人が多いなら、それはよく効く薬だ、という考察

◆世界中のデータが基に
これらの数字は、どのようにして算出されるのか

大勢の患者さんを対象とした、過去の臨床研究の結果に基づく

疾患人口の多いがんの場合、世界を見渡せば、同じがんの患者さんは大勢いる

患者さんのデータを集めることで、前述のような統計学的な数値が得られる

一方、こうした「数値」は、必ずしも患者さんが知りたい「薬の効果」ではない可能性
患者さんが知りたいのは、「どのくらいの割合の人に効くか」ではなく、あくまで「自分自身に効くか否か」

臨床研究で対象となっている患者さんは、それぞれ一人ひとりが異なる存在で、異なる性質を持ち、薬の効果もさまざま
統計学的なデータは、患者さんと一緒に治療方針を決める上で極めて重要だが

解釈が医師と患者さんの間で食い違う可能性には、注意が必要

◆誤解なく治療が進むように
人間は、あまりにも多様な生き物です。

同じ病名であっても、その病気の勢いや治療の効果は人によって多種多様です。

ある特定の人の未来を予測することは非常に困難です。

一方で、一人ひとりの特性を知った上で治療を提供できるのは、やはり目の前の医師でしょう。

医師と患者さんが、お互いがうまく意思疎通でき、誤解のない形で治療が進むことをいつも願っています。