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【抜粋】まとめ
・患者さんの体で起きている遺伝子変異を検査して効く薬を探すにが「がんゲノム医療」
・現在は標準治療が終わった後の検査だけに公的医療保険が適用されている→治療開始当初で受けることが困難
・2020年8月までの1年で7467人が検査を受け、結果を基に選ばれた薬の投与を受けたのは8.1%
京都大の武藤学教授(腫瘍薬物治療学)「標準治療が終わるまで待つと、患者の状態が悪かったり、がんに薬への耐性ができたりしていて検査を受けてもなかなか治療につながらない」
・米・豪・韓では必要なタイミングで検査可
・国立がん研究センターでは2020年から先進医療として治療前の検査が可能に→乳がん、大腸がん等6種類のがんの計200人に実施を目標とし早期検査の有効性を検証していく
山本昇先端医療科長「早い段階の検査により、遺伝子異常に合った治療の機会が増えるのを期待している。検査時点で薬がなくても、標準治療を受けつつ新薬の臨床試験が始まったら参加する選択肢もある」
・京大なども同様の先進医療を2021年5月に開始→化学療法を開始前の180例を対象に、がんに関連した遺伝子変化が見つかる割合や、専門家が勧める治療が見つかる割合を調べている
京都大武藤教授「標準治療後という制限をなくせば、患者の選択肢は増えて治療方針を早く決められる。パネル検査の有用性を最大限に引き出せる仕組みにしないといけない」「データが集まったら国に出して、保険適用の範囲を見直す議論につなげたい」考え
膵臓がんの患者会「パンキャンジャパン」の真島喜幸理事長「転移性の膵臓がんだと5年後の生存率は1%。標準治療後の検査で効きそうな薬が見つかっても遅い」と指摘。「ゲノム医療があるのに使えない状況は変えてほしい。患者にも希望になる」
国策的に推進されたiPS細胞の医療応用に関しては、失敗ではないにしても、結局のところ、まだまだ実用には遠いという状況と言えます。
それに代わる形、と言えると思いますが、こちらの「がんゲノム医療」も、私はこのままでは開花しないと思います。
ただ、「だめだった」で終わらせるにはあまりにももったいないもの。
こちらの記事にありますように、治療前の検査での検査が有用である可能性は残されています。しかし、ただ保険適用されると良いというわけでもありません。
・遺伝子変異により効くとわかった薬が、がん種によっては承認を得ていないケースの解決策
※既に解決策は始まっている
・治験参加者が少ないという問題
※リモート治験など運用方法での改善は始まっている
とりあえずは、これらが解決されることで、遺伝子パネルを起点とした効率的な個別化医療フローが出来上がるようには思います。
国がんさんや京大さんの取組みに期待しています。
ただ、この医療事業を推進するにあたっての根源的な問題として、解決に時間がかかり過ぎるということがあります。そこには、法と金が大きく絡むからです。
患者さんの治療は、直線的なフロー運用で良いのです。
しかし、法・金については、サイクルである必要があるからですね、恐らく。
これを実現するのは、法に対して金(国家、企業予算)についても関与出来る政治の力が絶対に必要です。
パンキャンジャパンの方が仰せのように、これは多くの命に関わる事業です。
良心を持ち、実践に長け、グレートコミュニケーターである政治家が必要ですね。坂本龍馬のような。
このがんゲノム医療の問題解決は、日本にある様々な構造的問題の解決にもつながると感じています。