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配信:医療NEWS
【抜粋】
●がんサバイバー関連の一般的な推奨事項:
・栄養素の不足を予防または解消し、筋肉量を維持し、栄養状態に悪影響を与える可能性のある治療の副作用をコントロールすることを目的として、栄養評価とカウンセリングを診断後のできるだけ早い段階に開始する必要がある。
・患者が治療開始の準備を整え、治療を継続し、がん関連の症状および治療関連の副作用のコントロールを可能とすることを目的として、身体活動の評価とカウンセリングを診断後のできるだけ早い段階に開始する必要がある。
●健康状態を長期間にわたって改善し、生存率を高めるための推奨事項:
・肥満を避け、食事療法や身体活動を通じて筋肉量を維持または増加させる。
・がんの種類、患者の健康、治療法、症状と副作用を考慮し、個別化した身体活動を習慣的に行う。
・栄養素のニーズを満たし、慢性疾患を予防するための一般的推奨事項と一致する、健康的な食生活を維持する。
・新たな発がんリスクを抑える、がん予防のための食事療法と身体活動に関するACSガイドラインの一般的なアドバイスに従う。
ACSによると、身体活動は、乳がん、結腸がん、前立腺がんなど、患者数の多いがんの患者生存率を高めるように働くという。一方、肥満は、乳がん、子宮内膜がん、膀胱がんの患者転帰の悪化と関連しているとのことだ。また、肉類、高脂肪乳製品、精製穀物、フライドポテト、菓子、デザートを多く含む“西洋型”と呼ばれる食事スタイルは、結腸がん、乳がん、前立腺がんの生存者の転帰を悪化させるとしている。
全体として新ガイドラインでは、野菜、マメ科植物、果物、全粒穀物を多く含み、反対に赤肉や加工肉、加糖飲料、超加工食品、精製穀物をなるべく含まない食事を推奨。ACSでは具体的に、地中海式食事スタイルを「前立腺がん患者の転帰改善に関連する健康的な食事の一例」として取り上げている。
アルコールについては、がんと診断されてからの飲酒が予後にどのような影響を与えるかは、多くのがん種で明らかでないとしながらも、肝臓、喉頭、咽頭、頭頸部のがんについては、診断後のアルコール摂取量が多いと、全死亡(がん死に限らず、あらゆる原因による死亡)のリスクが高くなると述べられている。
Kamal氏は、「この報告の中で示されている良いニュースは、食事療法と身体活動によって、いくつかの種類のがん生存者の転帰を改善することが可能だという点だ。その一方で、患者数が多くないがん、または生存率が高くないがんについては、まだ解明されていないことが多々残されている。ACSは、この重要なトピックに関する研究を継続して支援していく」と述べている。
医療の目的が、医療の発展ではなく、患者さんの命を救うことであるなら、治療中のがん患者さんの栄養状態や体力について、もっと積極的に改善していくよう、医療側が進めるべきではないかといつも思います。
「医療以外を排除」は、患者さんのためでしょうかね。そうではない誰かのため、ではないでしょうか。