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配信:TBS NEWS

 

ドラッグラグの問題が解決されるには、医薬品の開発・製造に関して、公的権力が介入する以外はないのかなと思います。

と言いますのも、開発、とりわけ臨床試験には莫大な費用がかかりますから、それに見合った収入が見込めない限り、投資を受けて経営される製薬会社は、開発を進めることが出来ないからです。


米国に習い、日本でも厚労省が特別認定のような形で、特に難病解決に役立つだろう医薬品候補が迅速承認されるようなプログラムはあります。ただし、これもまた製薬会社の利益が見込まれることが潜在的な条件であることに変わりはありません。


がん医療に関して、日本政府は積極的な取組みを推進しているとは思います。しかし、がんと言っても色々ですから、こちらにあるような、若い命が危ぶまれる小児がんや、悪性度の強い希少がんについては、もう一歩国政が関与して、製薬会社の背中を押すような制度を追加していただきたい思いです。

もちろん、どうするのか、何で背中を押すのか、については、難関であるとも思います。



【抜粋】

蹴くんと家族の心のよりどころになっていたもの。それは当時、日本で承認に向けた動きが進んでいた“新薬”の存在でした。蹴くんが患っていた小児がんの一種「神経芽腫」。アメリカではその治療薬が2010年に開発され、従来の治療に比べて高い効果が報告されていたのです。


「 友人の子どもが海外でこの新薬を使った治療を受け、ガンの症状がみられない“完全寛解”の状態まで回復したことも希望につながりました。 」


しかし去年5月、蹴くんはこの世を去りました。日本で“新薬”が承認されたのは、その1か月後のことでした。なぜ、海外で使える薬が日本では使えなかったのか。その思いは今も消えません。


海外で使われている薬が日本国内で承認されるまでに長い年月を要する現状は『ドラッグ・ラグ』と呼ばれます。蹴くんの主治医で小児がんを専門とする松本医師は、今回の新薬について「効果は未知数で“夢の薬”ではない」としたうえで、こう話します。


国立成育医療研究センター小児がんセンター 松本公一 センター長
「ドラッグ・ラグはなければないほうが絶対に良いに決まっている。(製薬会社など)薬剤を開発する側としては、対象の患者さんが多い分野にはどんどん投入していくんだけど、ものすごくパイの小さい(患者の少ない)ところに関してはなかなか手を回せない。それが一番大きな問題だと思います」