2021.11.20JBpress

 

ジャーナリストの金田信一郎氏のお話です。

食道がんの治療で、手術ではなく放射線治療を選択された方の大事な体験記です。

 

金田さんは、主体的な治療方法の選択をされたわけですが、そうではないケースというのがほとんどでしょう。

金田さんの本にも紹介されていますが、凡そ、がんの治療方法というのはかかったお医者様の科によって決まってしまうという事実があります。

また、日本の場合は、命を最優先するという方針がしっかりしていますから、外科手術こそ王道となっています。

 

金田さんのケースでも最初はやはり外科手術という流れになっていましたが、手術後の生活の質がどうなるのか、治療成績はどうなのかを照らし合わせたところ、放射線治療の方が良いだろう、という選択に至ったわけですね。

 

これはセカンドオピニオンという手法がマッチしたやり方とも言えます。

ただ、金田さんのケースの何が正しかったかは、金田さんご自身が判断するものですから、そういう成否の話ではないということはしっかりわかっておくべきところです。

 

ふと思い出すのは、最近、膀胱がんから肺転移で治療中の小倉さんの言葉ですね。

膀胱がんが見つかった時に全摘しなかったことを後悔していると言われました。

正直な言葉ではないかと思います。

私はこの金田さんからは、同じ言葉を聞きたくないんです。

仮に、再発などがあったとしても、放射線治療によって生活の質が確保出来たことを肯定してもらいたいです。

何より、再発してほしくないのですがね。

小倉さんも、治ることを信じているというか、予想しています。

 

お医者まかせにすれば、命を優先されて手術になってしまうことが多い。

しかし、自分で生き方をも考えて治療法を選択していった方がいいでしょ、というのが金田さんが言われることだと思います。

ただそれは、多くの患者さんにとっては難しいことだとは思います。

そもそも情報が少なすぎることと、やはり命が大事だからです。