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「すべてのがん患者をゲノム解析せよ」マニュアル化する医療への警告(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュース 20210827
・・・・・・・・・・抜粋・・・・・・・・・・
もう、医療制度はガラガラポン(の改革を)して、がんが見つかった人はみんな遺伝子を調べて、それに沿って、いろんな治療を考えていきましょうということにした方がいい。そうすれば、患者さんにとっては、最適の治療が受けられるし、治る人が増えてきて、医療費は逆に減ると思うのですけどね。そういう発想も許さない。
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新しい有望な治療法が見つかっても、それは標準治療ではもう手に負えなくなってしまった進行がんにしか適用されない。
がん光免療法がまさにそんな感じになっています。
私はこういう現象が起きるのは、お医者様がどのようにあるべきかを教育して来なかったからではないかと思うのです。
私は、お医者様は患者さんの病気を治すことが仕事だと思いますが、同時に、科学者であってもらいたいと願います。
しかし、この記事でも述べられているように、マニュアル人間であることが、お医者様とされるわけです。
では、科学者とはどんな人かと言えば、原因や根拠がまだわからなくとも、患者さんの病状が改善されたり、QOLが良くなったりする何かがあったとして、それが何故起こっているのかを追い求める人のことだと思います。
最近は、自由診療なんて信用してはいけない、理由はエビデンスが無いから、というようなことを滾々と語る本が売れ、お医者様ではないわれわれ庶民でも、それが正論という風潮になっています。
しかし、本来、科学的である、ということは、エビデンスが無いものを信用しないことではなく、エビデンスが無いけれども起きている現象に対して、その原因や根拠を突き止めること、と言えると思うのです。
こう言った考えは、先のがん光免疫療法をファーストラインに採用していくというようなことにつながりますし、何よりも、患者さんの利益につながるはずです。
それでも私は、標準治療は最高の治療法だと思っていますし、それを遵守することはお医者様の仕事であることもその通りだと思います。
ただこれを、今のまま放置すれば、日本のがん医療は、お医者様がサラリーを受け取るためのマニュアルに成り下がると思います。絶えずこれを、科学的に前進させていく必要があります。