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がん治療での日本と世界の乖離 日本で「手術」が多く「放射線治療」が少ない背景|NEWSポストセブン - Part 3 (news-postseven.com)
NEWSポストセブン20210815
この記事、金田さん著書の抜粋ですかね。
もしそうではないなら、私はちょっと違和感あります。
誰が書いたか、という点です。
「日本の多くのがん治療では、外科手術が標準治療として推奨され、命が助かるかどうかを基準に考えれば、手術の方が選ばれやすくなるのは否めない。」
私がもし自分がガンに罹患し、色々な療法を知り尽くしたうえでどれを選ぶかを問われたら、最も予後が良好なもの、になると思うのです。
この一文にあるように「命が助かるかどうかを基準」なら手術、ということなら手術を選ぶということです。
日本と世界の乖離、という誘導的な題名が付いているのですが、記事中に述べられるように、日本人は国民皆保険制度の恩恵で安価に手術が受けられる、のに対し、他の国では手術が高くついてしまうから受けにくいだけではないのか、とも思うのです。
ただ、その手術によってQOLが著しく低下し、その人の生きがいであった仕事か趣味かを続けていくのが困難になるとしますよね。例えば、歌手の方なら声帯が取り去られるとか。記事中で述べられる「自分らしい生き方」を優先(命そのものよりも)したい、ということです。
そのような場合、放射線治療をはじめとした、医療で言うところの侵襲性の低い療法が選択肢にあげられてもよいではないか、というお話があることはわかります。それはまさに「本人の生き方に沿う多様性」と言えるかと思います。
金田信一郎さんの著書が反響を呼んでいますが、あれは金田さんがご自分の食道がん治療の経験から、ジャーナリズムで日本の医療に切り込んでいるものなのであり、切実な命への価値探求が込められた、まさに命がけの著書だと思いました。
しかし、この記事はそうではないですね。表面的な日本の医療体制へのジャブ、揶揄です。
多くの方々が、命あればこそ、と思うものではないでしょうか。生き抜くための最良の選択が手術であるなら、それを比較的安価で受けられる日本人は幸せなのではないかと思うのです。
いやもちろん、それが全ての記事ではないと思っていますよ。
しかしこの記事を短くすれば、手術以外の選択肢を与える「がん専門外来」がもっと必要です、で十分に説明がつきます。ところが、日本世界の乖離などと大仰に題するところに、不快感を覚えただけのことです。何故なら、その手術を受けたがんサバイバーさんが大勢いるからです。