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食道がんステージ3から生還した男〜「切らない」という選択 『ドキュメント がん治療選択』(1)東大病院を逃げ出した理由(1/5) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)
JBpress20210807
金田信一郎著 [がん治療選択 崖っぷちから自分に合う医療を探し当てたジャーナリストの闘病記]
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幸いにも、これまで医療者の方から「がん医療」がどのようなものかを聞く機会がわりと多かったのですが、私なりにそのシルエットを言うなら、がん医療、標準治療とは「マニュアル」でありお医者様はそれを守る「マニュアル人間」なのです。
こう言うと、何かディスっているように聞こえるかも知れませんが、そうではありません。そもそもそのマニュアルが高精度に作られてアップデートされているわけですから、マニュアル人間であるお医者様もまた、それに忠実であることが有能と言ってよいのだと私は思うのです。そして、標準治療は最高の治療ということで間違いないとも思うのです。
ただ、マニュアル人間であるお医者様は、科学者ではないということを理解しておくべきだとも思うのです。私の言う科学者とは何かと言えば、探求者です。現状をある意味では否定しながら、もっと新しいもの、もっと効果的なものを求めていく者、と言えると思います。お医者様とは決してそういう方々のことではなく、あくまでもマニュアルを守っていく方々なのです。
金田さんが著書で言われる、ベルトコンベアに乗ることを拒否された、のは、この理由があったのかなと思いました。つまり、マニュアルは個別の特性を持つ患者さん一人一人でベストであるというわけではなく、部位、病期、遺伝子特性など、なんらかの基準で括ったグループに対しての最小公倍数の寄せ集めとも言えるからです。そこに納得がいかない、という心情がおありだったのかなあ、と思っています。これは、金田さんの心情から来るもの。または、自分の命の選択をどうするか、というものですね。
言いたいのは、ベルトコンベアがベストである可能性もあった中で、納得を頑なに選択されたということです。そして、それは一つの正解を見たからこそ、こうして著書になっていると言えます。
ご本心の部分は、どうかわかりませんが、この著書にあらわれているコンセプトはそういうことで、私はとても自然だと思います。どんな洋服を着ようかとか、何を食べようかとかの話ではなく、命をどうしようかという選択なのですから。