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配信:MedicalTribune20210727
テロメアという染色体の端にある構造物の「長さ」が老化の一つのカギになるようです。
また、下に抜粋しましたように、がん治療が奏効するかどうかの点においても重要と思われるエビデンスが存在しています。担がんにおいては、テロメアが伸びた人の方が治療奏効率が高いのです。
そして、そのテロメアをどうすれば伸ばすことが出来るかというと、一つはマインドフルネスだと言うのです。マインドフルネスとは、瞑想みたいなものです。
安易な3段論法的に、マインドフルネスががん治療の奏効率に好影響なんてことを言いたいわけではありません。
サバイバーさんにとって利益になる簡単な取り組みが存在する可能性があることを言いたいのです。
お医者様は意外と無知なところがあります。
標準治療というマニュアルにおいて、それを完璧に遂行するという医療行為に長けていることが、医療界では優秀とされ、実際それが成果=良い治療成績成すわけです。
しかし、標準治療以外の部分については排他的にならざるを得ません。なぜなら、標準治療の遂行は、言い換えるなら、壮大な臨床試験を実施しているのであって、治療に影響する”それ以外”を排除することは、その試験の精度という点で重要であるからです。お医者様には、純粋に標準治療のみによる治療成績をデータベースとして積み上げる責任があると言えます。
私はこのこと自体には異論どころか賞賛すらします。これなくして、がん医療の発展はないからです。標準治療とそのマニュアルを絶対正義とし、それ以外を悪とすることには必要なことだとわかるのです。
ただ、一私人の願望として、自分ががんに罹ったら何をするか、を考えるとき、標準治療以外にも有効なものを知っておきたいと思うのです。それは例えば、食事内容であったり、運動であったりするわけですが、このマインドフルネス=瞑想もその一つに数えられる可能性があるということですね。がんに効く、というわけではなくとも、標準治療を補助する役割のものでも良いのです。
< 抜粋 >
早老化マウスを用いた実験では、テロメアを伸長させるテロメレース逆転写酵素遺伝子の導入により老化が抑制されることが示されている(Cell 2008; 135: 609-622)。ヒトにおいても、前立腺がん患者を対象に食事と生活習慣の改善を3カ月間実践させたところテロメレース活性が増強し、がんの進展が抑えられたとの報告がある(Lancet Oncol 2008; 9: 1048-1057)。この他、マインドフルネスによりテロメレース活性が増強するとの報告もある(Psychoneuroendocrinology 2014; 42: 45-48)。
実際にテロメア長を伸ばすことはできるのか。順天堂大学泌尿器科では、化学療法・免疫療法導入を目的に同科に入院した担がん患者を対象に、治療前後のテロメア長の変化と治療効果の関連を前向きに検討した。その結果、がん治療奏効例では治療前に比べて治療後のテロメアが伸長し、進行例では短縮することを同学会で報告した(図)。