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配信:日経メディカル20210721
いわゆるQOL=生活の質、については、その言葉自体がだんだんと一般化してきており、意識が高くなっていることをうかがわせます。
私どもも、サプリメントメーカーとしてのスタンスは、治療は治療で医療にかかっていただく、その補助機能としてQOLを維持したり改善したり出来るようなものをお客様にお届けすることを目的にして、エビデンスを取り、使い心地などのお声を頂きながらやっております。
というのも、やはりがん治療においては、QOLを改善し続けなければ、治療を継続する身体的な体力も、精神力も削がれてしまう可能性がずっとあるからです。
今回、アピアランスケアについてのガイドラインが出されることは、非常に重要なことだと思います。がん治療によって、身体の見た目に変化が起きることを、医療の目からケアしていこうということで、これが最近サポーティブケアとよく言われるもので、まさにQOL改善の重要な一要素だと思うのです。
治療を終えて社会に戻っていく、というのは、経済活動の他に、治療を継続していく場合にも大事なことです。身体的に活動をすることによって、体力が戻り、食欲も戻りと、これらは治療生成期にもポジティブなはずです。
思い入れのあるカテゴリーですのでついつい長くなってしまいましたが、こうしてシンポジウムが開かれ、積極的な取り組みがあって、それを日経メディカルさんが取り上げてくださってと、本当にうれしいものでありました。
【抜粋】
シンポジウムの座長で、ガイドライン作成委員会研究責任者である、目白大学看護学部看護学科の野澤桂子氏が、ガイドラインの特長について紹介した。
「外見の問題は直接命にかかわらないため、医療では重視されてこなかった。しかし働きながら治療する患者さんが増え、外見の変化(症状)の程度が効果に関連する抗癌薬が登場して、外見に関しても正しいケアや情報の提供が重要だという意識が医療者にも出てくるようになった」。野澤氏は昨今の状況について、このように説明した。
2013年に「がん患者の外見支援に関するガイドラインの構築に向けた研究班」(国立がん研究センターがん研究開発費)が組まれ、2016年には「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」が発刊された。
それから5年が経ち、頭皮冷却法の研究など、新たな知見が蓄積されつつある。また第3期がん対策推進基本計画にも、社会的な問題として外見の変化などに関する相談支援や情報提供の体制が構築されていないことが指摘され、「癌医療において外見の問題に対する認知が高まって、より質の高いケアの実施が求められるようになった」と野澤氏は説明した。そこで手引き2016年版の改訂版として、Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017の手続きに則って、「アピアランスケアガイドライン2021年版」を作成することになった。
ただし今回は、「手引き時代に参照したMinds診療ガイドライン作成マニュアル2007年版と全く異なる厳格な手続きだったため、改訂というよりは新しいガイドラインを作成するに等しい作業になった」という。