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[スペシャル対談] 世界に先駆けて日本で治療が始まった「光免疫療法」。開発者・小林久隆 vs. 医師2年目・八木優子(本がすき。) - Yahoo!ニュース
配信:ヤフーニュース 2021.05.31
【抜粋】
小林:光免疫療法は3大治療を否定するものではなく、あくまで新しいチョイスが増えたととらえていただいたほうがいいと思います。既存の治療も残しながら、ファーストチョイスとして使っていただくのが私の理想です。 光免疫療法で最大限の効果を得ようとするなら、免疫細胞のいなくなってしまったところで施すのは避けたいので、三大治療の前にするのがベストのタイミングである考えています。
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この治療法はうまくいけば、がんを壊して免疫は下げない。できれば上げるという、両にらみの治療法です。ケモ・ラジ(外科手術の代わりに抗がん剤や放射線療法を行うこと)の代わりに、3大治療の前に行う価値は大いにあると思います。また、そこで成果があれば次に控えている手術はひとまず待機になるか、あるいは無くなるかもしれない。そこまで効果を出すことが目標です。
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この治療の利点はたくさんのがん細胞を同時に壊し、しかもきれいに破壊することで、がん細胞のなかのすべての抗原が細胞膜を破ってフレッシュに出てくる。この抗原の品質の良さと密度の高さががんに対する免疫のできるポイントです。がんの特異な抗原をフレッシュなまま全種類、大量に免疫にさらすことにより(がんを認識できる)質のよいリンパ球を新たに作り出すことができます。
きれいに壊すことで、リンパ球が認識できる抗原の種類はちゃんと増えてくるのです。そして増えるだけでなく、がんを認識する抗原に対してより強くくっつくようになることがわかっています。強くくっつくことで多くのがんを殺せるという好循環も生まれます。こうして質のよいリンパ球をたくさん作ることによって残ったがんを根治させ、その細胞がメモリーになってしまえば、同じがんが再発する恐れもなくなるというメカニズムなのです。
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国立がん研究センター東病院で、食道と胃がんの治験は始まっています。食道は頭頸部の延長であり、発症原因もHPV(ヒトパピローマウイルス)か飲酒が主ですから頭頸部がんと同じノウハウでできるんです。それで早々に治験も始まっているのです。
女性の場合、とくに乳がんの手術の前この方法を使うことで腫瘍縮小効果があれば見た目のダメージも軽減できると思います。
これまで様々な光免疫療法の記事を見ましたが、今のところ、素人目にわかりやすいのはこちらの記事です。