和也と過ごすものだとばかり
思い込んでいた帰り道、急に
街の雑踏の中で降ろされてしまい
雅紀はしばし立ちつくしていた。
買い物は嫌いではないのだが
予定外では何も浮かんで来ない。
鼻先までストールを引き上げて
街行く人々の様子を伺っていると
雅紀の姿を気にとめる者もなく
ひとときの自由を過ごせそうだった。
ならば、どこへ行こうかと思案し
ふと何気なく見上げたビルの壁に
眩しく照らされた麗香の広告がある。
(…きれいなひと…)
誰もが知る、有名女優の笑顔だが
今までこんな風に改めて意識して
麗香の姿を見つめた事はなかった。
どこから見ても非の打ち所がない
大輪の花の輝きを目の当たりにして
思わずため息が零れてしまう。
美貌だけでなく、演技にも定評のある
実力派の女優との共演ともなれば
間近で接する翔が惹かれたとしても
仕方のないことのように思えた。
思わず、そんな未来を思い浮かべる
気弱な自分の心に嫌気がさして
雅紀はふるふると首を振る。
気後れなどしている場合ではない。
「必ず連絡する」と、この手をとり
翔は約束を残してくれている。
どんなに遅くなったとしても今夜
翔が帰って来る場所は自分の元だと
必死に気持ちを奮い立たせた。
(そうだ、ひもぱん…!)
和也の助言には半信半疑だったが
翔が喜びそうなものを用意して
部屋を整え、帰りを待とう。
スイートルームの外泊は流れても
二人で過ごせる夜は残るはずだ。
そう決めた途端、メンズブランドの
ショーウィンドウよりも、その隣の
シンプルな雑貨店が目に入った。
店頭にセンスの良いミニブーケが
雅紀を呼ぶように並んでいる。
仕事柄、華やかで大きな花束を
目にする機会も多いのだが
夜の街角で控えめに香るような
清楚な色合いが好ましく思えた。
その中のひとつを手に取り
急ぎレジまで会計に持って行く。
思いがけず手にした可憐な花が
道案内を請け負ったかのように
歩くうち、いくつか店を見つけて
小さなスイーツやシャンパンを選び
順番に買い足していった。
(翔ちゃん、今どこ…?)
恋しさが胸から溢れ落ちそうになり
思わずビルの間の空を仰いでも
煌々と明るく照らされた街の上では
星など一つも見つけられない。
それでも、そこで光っているはずの
きらめきを必死に思い浮かべて
そっと目を閉じ、無心に願う。
(神様、早くかえしてください…)
「一生だいじにします」
「わがままいいません」
「しごとがんばります」
何を誓えばこの願いは届くのか
見えない星を見上げてさがして
真摯にその場で願い続ける。
すると予期せず携帯が鳴り
相手も確かめずに飛びついた。
「もっ…もしもしもっ?」
「雅紀さん?」
「あ… 敬吾…」
気落ちした声音は隠せないが
今夜は南条が翔と育美について
車で送り、現場まで同行している。
その南条からの連絡とあれば
翔が自由になったのかもしれない。
これは早速、ご利益なのだろうかと
思わず携帯を握りしめた。
「今、どちらですか?」
「ちょっと買い物してた」
「ええ、そのように安西から…
すぐに迎えに行きますので」
「翔ちゃんはもう終わった?」
「その前にまず、ご自分を」
「おれはいーの、だからお願い
翔ちゃんうちにつれてきて!」
「ですから翔さんより先に…」
「いいから翔ちゃんつれてきて!
育ちゃんにないしょで大至急!」
自分に甘い南条を利用するようで
多少後ろめたい気持ちもあったが
今夜はそんな事で動じておられず
一方的にそう告げ、通話を切る。
確約はしていないが、南条のことだ。
きっと翔を連れて帰って来てくれる。
慌てて戻った自宅の中、まず何を
すべきか雅紀は懸命に思案した。
事務所に用意されたこの住まいは
元々、充分すぎる広さと豪華さで
買って帰った小さな花を飾るだけでも
スイートルームに見劣りしない筈だ。
ベッドを整え、風呂の準備をし
ふと思いついてクローゼットから
新品のパジャマを取り出してみる。
育美が選んだ真っ白なシルク製で
この部屋に用意されていた品だが
今まで一度も袖を通したことはない。
(やるきまんまんってかんじ…?)
翔も自分も、普段寝る時には
Tシャツとハーフパンツ等の
ラフなものしか身につけない。
眩しいほどの光沢を放つ
純白のパジャマなど着たら
翔はどんな顔をするのだろうか。
とりあえず試しに試着してみようと
手早く下着姿になり、素肌の上に
極上のシルクを羽織った途端
予期せずインターホンが鳴る。
「うええええーっ!?」
待ち人の到着にしては早すぎるが
翔以外、こんな時間に自宅まで
訪ねてくる相手などいない。
エントランスを通ってしまえば
ここまでさして時間もかからぬ為
翔を一秒も待たせたくはなくて
パジャマのズボンを手に持つと
雅紀は玄関まで急いだ。
「ちょ… どんだけエロいんだよ」
下着姿でパジャマを羽織って
ズボンは手にしたままの格好で
ドアを開けて迎えた雅紀の姿に
翔は目を丸くして立ちつくす。
「いっ、いまこれ着ようかなって…」
「ボタンしろって、上まで全部な
下もちゃんと着なきゃダメだろ」
「ん… 風邪ひいたら困るもね」
「違う、脱がすのは俺なの」
いたずらっぽく笑ってみせた翔に
そのままふわりと抱き寄せられる。
途端、冷たい夜気が身体を包むが
反比例するように胸は熱くなった。
急に連れ出されてしまった恋人が
自分の元へ無事に戻ってくれたのだ。
安堵と喜びが織り交ざってこみ上げ
離れるものかとばかりに抱きつけば
その想いは正しく通じたようで
翔の抱擁もあやすように優しい。
「なぁ… 何で今日パジャマ?」
「勝負パンツなくて…」
「勝負パンツ!?」
「翔ちゃんのすきなひもぱん」
「…ちょ待て、どこ情報?」
「あれ?ちがう? だってニノが…」
「やっぱりか… 明日覚えてろニノ」
和也への恨み言をつぶやきつつも
翔が腕を解かないことに安堵して
雅紀は一層強くしがみつく。
どうやら自分はまた和也に
からかわれていたらしいが
それよりも今は、翔の頭の中さえ
ひとり占めしたくて必死だった。
「…ニノのこと、考えないで」
「でも勝手に紐パン好きとか!」
「買っとけばよかった…」
「へえっ!?」
「そしたら、コーフンしてくれた?
ほかのこと考えなかった?」
すりすりと首筋に鼻を擦りつければ
いつも通りの翔の香りに混ざって
かすかに華やかな気配がある。
まさか香りが移るほどの近さで
麗香と過ごしていたのかと思えば
足元が崩れるような不安を感じた。
「…翔ちゃんっ!」
「うん?」
「は、はやくしないと…」
「雅紀?」
とんとんとその場で足踏みし始め
焦った様子でそう告げた雅紀は
翔の手を力任せに強く引いた。
「いこ! あっち!」
「へっ?」
「シャンパンもあるし!」
「シャ、シャンパン!?」
「…待って、先にお風呂?」
「あ… うん、出来れば…」
「おっけ!ゆっくり入って!」
その割にはひどく慌てた様子で
雅紀は先を急いで進んで行く。
翔は事情もよく分からぬまま
強く引かれる手を握り返して
雅紀の後へと素直に従った。
~ つづく ~
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚
こんばんは、micaと申します。
某雑誌の件が出て、はや数日。
皆様いかがお過ごしですか?
私は近所のトイプーを見る度
ガン見するクセがついてしまい…
いやいや、トイプーに罪はない。
どなたか、一般人がどうすれば
国民的アイドルと知り合えるのか
かみ砕いて教えてください。
やっぱり甲子園はポイント?
野球に疎いおなごはその時点で
何割かのチャンスを逃すのか?
しかし、野球に一切興味はないが
もしも相葉くんと知り合えるなら
頭に硬球直撃もいとわぬ覚悟を
うちのムスメなら持ってるだろう…
(↑母は痛いのはイヤー!)
最初に記事のことを知った時
幸か不幸か、葉担のムスメは
絶好調で寝込んでおりまして
たとえガセネタで終わる話でも
この大参事を知らせられず…
母「…何か欲しいものある?」
子「ぺ…ペンラ…」
母「ペンラどーすんの??」
子「夜中…トイレの時に…」
懐中電灯代わりに使うってか?
斬新な使用法だな、おい!
家の中そんな暗くねーよ!
虫の息の時でさえ、ココロは嵐。
ここまで一途なファン心理を
愚か者だと笑うなかれ。
あれもこれも欲しい状況の中
食費や交通費でも削らねば
欲しいグッズもままならない。
そうして手にした品ならば
まさしく闇をも照らすような
夢と希望の象徴なのかも。
…にしても高くないかペンラ。
学割設定してやってください。
中高生女子はかなり高音の
いい「キャー!」出しますぜ。
ペンライト並みの演出効果で
会場盛り上げること請け合い。
もしくわ2個で割引アリとか
少しおまけしてやってー!
(だめだ、主婦感丸出し…)
でも、迷う事なく雑誌やグッズを
買える人はどれだけいるのか
皆さん何かしらの我慢もして
費用を捻出しているのでは…
そんな血税(違うか…)が
嵐さんのン十億の売り上げの
何割かになってるんだろうなぁ。
相葉くんの豪邸の中のドアの
部品のネジ一本分くらいなら
うちの子も貢献してるはず。
ネジだと思ってなめんなよ!
外れたらドア閉まんないぞ!
業者呼んでもすぐ来ねーよ!
(コンシェルジュええのぅ…)
暴言大変失礼いたしました。
やり場のない虚しさについ…
別に誰も悪くないのにね
しかし、ペンラ握って寝てる
おもろい病人の姿を見ても
何だか素直に笑えなかった。
一生、関わることのない相手を
ただ一方的に応援するだけなら
楽しい夢だけ見ていて欲しい。
夢を売る商売のしんどさも
改めて思い知ったような
気もしています。
こんな時こそ、祈るしかない。
相葉くん本人の幸せを
今までもらった幸せな気持ち
ひとつひとつ思い出して…
…とか言いつつ、今日は一日
妄想に逃げ込んでたワタシ。
そこまで人間出来てないのよ。
何だかもぬけの殻なのよ。
仕事が休みで良かったなぁ…
(↑全く使い物にならぬ大人 )
mica