最近、ドコモのネットワーク通信速度が遅いという問題が話題になっています。この記事では、ドコモのネットワーク通信速度の遅さについて石川温氏の分析結果と、ソフトバンク社の技術担当者との会話をもとに紹介します。

 

 スマホ携帯ジャーナリスト石川温氏の分析

 

石川温氏は、ドコモのネットワーク通信速度の遅さの原因として、Massive MIMOという技術がドコモの基地局は対応していないためではないかと指摘しています。Massive MIMOは、複数のアンテナを利用して通信速度を向上させる技術です。

しかし、石川氏によると、ドコモの基地局ベンダー(富士通やNEC)はこの技術に対応していないため、通信速度の向上が十分に実現されていないとのことです。

 

 ソフトバンクKKの技術担当者の話

 

最近、ソフトバンク社の技術担当者と、この問題について話をする機会がありました。

その際、彼によると、地方部ではMassive MIMOがほとんど活用されていないと話していました。ネットワーク性能に定評のあるソフトバンクもさることながら、KDDIもおそらく同様ではないかとのことでした。

Massive MIMOは主にトラフィックの多い都市部でのみ活用されているとのことでした。

ソフトバンクでは、地方部でも高速な通信速度を提供するために、基地局の基本的な周波数制御等に力を入れているとのことでした。

 

 結論

 

ドコモから正式な原因の発表がないので確かなことはいえませんが、ドコモの通信速度が全国的に遅く、改善がなかなか進まないことは、Massive MIMOだけでなく、ほかにも原因があるようです。

基地局への投資はどのキャリアも毎年、数百億円規模で行っていますが、ドコモの場合、基本的な基地局の性能や周波数制御等、複数の要因により著しく通信速度が低下しているといえます。