重松清 - トワイライト
- 重松 清
- トワイライト
小学校の時埋めたタイムカプセルをほりおこそう———。
という新聞の広告によって集まった同級生達。
当時ジャイアンと呼ばれたガキ大将、のびたというあだ名の天才少年、いつも輪の中心になるアイドル、知恵遅れで元気な少年。
彼らは皆もう40歳。かつて彼らが夢見た未来とは異なり現実は厳しい。
一時古文のプリンセスともてはやされた有名塾講師はもうピークもさり人気も仕事も下降中。
天才少年はリストラにあい、ジャイアンは転職続きで現実から逃げ惑いしまいには家庭内暴力、そして家庭崩壊。
そんなトワイライトを生きる彼らの未来とは、幸せとは―――。
重松清が得意の中年描写で、ミドルエイジの 抱えるさまざまな問題を描く。
正直、重くて、特に家庭内暴力で家族が崩壊していくさまは重すぎて読んでいてつらいものがあった。
そして、「盛者必衰のことわりをあらわす」。
わかってはいるけど、これから社会に出る身としては、夢・希望を打ち砕かれたような気がしなくも無かった。
いいことばかり夢見ている未来に、「現実はそう甘くない」と突きつけられたような。
がんばろう。社会にくらいついてこう。
そう思わされる一冊だった。