V.A - animation BECK soundtrack "BECK"
- アーティスト: TVサントラ, BECK, 町内会長の息子バンド, 南真帆, Belle Ame
- タイトル: animation BECK soundtrack “BECK”
音楽を漫画で表現するのは難しいと言われていたのにあえて挑戦し、その画力とアマチュアバンドの笑いあり涙ありのサクセスストーリーで大成功をおさめたハロルド作石の漫画「BECK」。その「BECK」がアニメになると聞いて「BECK」ファンなら誰もが一抹の期待と不安を抱いただろう。
漫画では主人公コユキの歌声を聞くと誰もがはっと耳を奪われる。そんなカリスマ性もったやついんのかよとか、彼らのバンドサウンドを表現できるのかとか心配していたらなんと音楽プロデューサーはBEAT CRUSADERSのヒダカトオル。しかしここで僕は安心したわけではない。
正直、「BEAT CRUSADERSはメロコアだけどBECKはメロコアじゃないじゃん、大丈夫なの?」とまだ微妙な感じ。
そして第一回目のアニメを見てみるとビークルのPOPなオープニングテーマとともに始まり漫画の主役たちがどんどん登場。僕は音楽というよりその人物の絵、なよなよさで「あぁこりゃだめだ」と思い見るのをやめてしまった。
それから月日は流れ、CDショップに行くとアニメ「BECK」のサントラを発見!そして参加アーティストを見てみると・・・これがなかなかいい感じなのでアニメのサントラとしてというより普通にオムニバス作品として聞いてみることにした。
主人公コユキの声はHUSKING BEEの平林一哉、千葉はYKZのTATSUZOそしてBECKの演奏はTYPHOON24。
結論から言うと、うーんまぁまぁ。Belle Ameや国吉ちえみ、町内会長の息子バンドの曲ははまっていてアニメを見ていなくても彼らが歌ってるところを想像することができる。ただ、肝心のBECKの曲が少し期待はずれかな。
僕はBECKのサウンドはRED HOT CHILI PEPPERSやRAGE AGAINST THE MACHINEのように重いアウンドといものを予想していたのだが、やはりメロコアっぽい軽快なサウンドになってしまっていて少し残念だった。千葉くん役のTATSUZOもあんまりマッチしているとは思えない。もう少し野太い声がいいかな。
個人的には山嵐のコジマあたりにやってほしかった。
それでも期待に応えたいい曲はいくつかあった。ビークル作のシリアスバラード#9「MOON ON THE WATER」は原作でも重要な鍵を握る曲だがうまくマッチしてるいい曲に仕上がっている。ヒダカはこういう曲もつくれるのかとだいぶ感心した。そして10-FEET作の#20「Slip Out(Little More Than Before)」(原作で言うと「OUT OF HOLEにあたるらしい)はパワーがあって非常にいい出来だ。
やはりアニメを見ていない分もうひとつのサントラ「KEITH」の方がよかったのかもしれないが、それでも充分聞ける一枚だ。ビークルのヒダカが音楽監修として、まぁ考えられる範囲では全力を出せたのではないかなと思う。そういう意味でヒダカは適任だったと思う。