
今週はずっと京都某市で休んでいる。ぼくの家は山を削ったところに新たに造成された新興住宅地にあり,ちょっと高台になっているのだ。で,休みといえどもやはり散歩を欠かせなく,削られた山を一周するのが日課である。おおよそ3キロ弱だから約40分もあれば一周出来る。住宅街の山だからというより山間に住宅街を作ったから,この住宅街以外の昔から住んでいた住民にとってこの山は里山なのだろう。住宅街側の山肌は削られた爪跡とか,鬱蒼と生茂った樹木とかでまるでジャングルのような様相なのだが,昔からここに居を構えている集落あたりの山はとてもきれいに手が加えられている。いかにも里山なのだ。同じ山でも住む住民の環境でこうも変わるのかと,愕然とさせる状況がここにある。
この山の旧住民側の麓に神社がある。いかにも鎮守様という風情だ。そこの鳥居を潜ったところに一本の銀杏があり,色鮮やかとはいえないけど,荘厳な雰囲気を醸し出している。
ぼくはこの町に生まれたわけでもなく,育ったわけでもないが,現実ここに家があるのだ。休みの度に戻ってくる。それでこの削られた里山の一方からの景色が限りなく好きなのであった。