Differential Diagnosis in Primary Care
Hypogastric Mass
下腹部の腫瘤には他の部位の腫瘤と比べ騙されることが多い。
手術台で膀胱カテーテルを挿入すると腫瘤が消えたことが何度あっただろう?
しばしば腰椎前弯や腹直筋離開は「本物の」腫瘤より頻繁にみられる。
解剖学が鑑別診断のカギになる。
この部位にはそれほど多くの臓器は存在しない。
皮膚や、皮下組織、筋膜、腹直筋の下には、膀胱、大動脈があり、腰仙椎は痩せた男性で触知される。
女性では、子宮が双手診で触知される。
内蔵下垂がある場合には、横行結腸が触知される。
しかし、病的な状態ではリンパ節、S状結腸、卵管卵巣、小腸、骨盤腎が存在する。
語呂「MINT]をこれらの臓器に適用すると、広がりのある鑑別診断の表、表6ができる。
下腹部腫瘤の原因で重要な疾患のみ、以下で議論する。
皮膚の脂肪腫、腹壁ヘルニア、腹直筋離開は、下腹部を覆う構造の疾患としてよく遭遇する。
膀胱は狭窄や前立腺症により閉塞するが膀胱癌や結石も腫瘤の原因になりうる。
会陰の外傷では膀胱破裂を考慮すべきだ。
子宮は以下の場合拡張する。
妊娠、子宮内膜炎、子宮筋腫、絨毛癌、子宮体癌。
卵管卵巣の腫瘤は良性もしくは悪性の卵巣のう胞、子宮外妊娠、卵管卵巣膿瘍が原因かもしれない。
大動脈は、大動脈末端部の解離や血栓症、重度の動脈硬化で腫瘤として現れる。
腰仙椎は以下の場合下腹部の腫瘤として現れる。
脊椎カリエス(Pott's Disease)による重度の脊椎前弯、脊椎すべり症、転移性癌腫、腰椎脊椎症。
(*脊椎の接頭辞はspondylo-)
大動脈前リンパ節は、結核、ホジキンリンパ腫、転移性癌腫で著明に拡大する。
もし横行結腸が下垂しているならば、憩室炎や憩室膿瘍が感知するかもしれない。
腸軸捻はこの部位の腫瘤として現れる(*好発部位がS状結腸)
肝硬変による腹水、内臓破裂、細菌もしくは結核性の腹膜炎もしばしば遭遇し、卵巣のう胞や拡張した膀胱との鑑別が難しい。
打診や、超音波による評価は診断に非常に助けになるが、側腹部からの腹腔鏡もしくは腹腔穿刺は必要だ。
Approach to the Diagnosis
下腹部の腫瘤を評価する前に、患者に排尿させることが重要だ。
腫瘤が依然として存在する場合、残尿に対するカテーテルや超音波が神経因性膀胱もしくは膀胱頸部の閉塞による拡張した膀胱かを同定するのに有用である。
他覚的な神経所見があった場合、神経因性膀胱かもしれないので神経科医に照会すべきだ。
腫瘤が拡張した膀胱である可能性を除外したのちには、出産可能年齢の女性では妊娠を除外すべきだ。
妊娠テストを行い、結果が陽性であれば、超音波検査を行うかもしれない。
特に子宮外妊娠を疑ったり、患者が妊娠の可能性を否定した場合は。
拡張膀胱と妊娠を除外したのち、次のステップは腹部骨盤CTをとることだ。
より広範囲の検査を行う前に、婦人科医や一般外科医、泌尿器科医にコンサルトするのが賢明だ。
彼らの知識をもってすれば検査は必要ないかもしれない。
Other Useful Tests
1便潜血(直腸癌)
2CBC
3尿検査(膀胱新生物、結石)
4尿培養(膀胱炎、膀胱憩室)
5IVP(静脈性腎盂造影)(奇形腫?malformation neoplasm、骨盤腎)
6バリウム浣腸(直腸もしくはS状結腸癌)
7大腸内視鏡(S状結腸癌、大腸癌)
8クルドスコピー(子宮外妊娠、卵巣のう胞)
9腹腔鏡(卵巣嚢胞、子宮外妊娠、その他の骨盤腫瘍)
10試験開腹
11大動脈造影(大動脈解離)
12腰仙椎のX線写真(脊椎の形態異常)
13リンパ管造影(後腹膜リンパ節)
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昨日は、疲れていたので更新できませんでした(・∀・)
毎日の更新が目標です。
次は腹部の痛みAbdominal pain です。