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Different world

ピクシブにも載せているぷよ小説。たまにオマケ程度の小説もあったりなかったり。

「うわーっ!!遅刻だ遅刻だーっ!!」
太陽が昇り始めた頃、
一人の少女が学校へ向かって走っていく。
赤ぷよ帽がよく似合う彼女の名前は、アミティ。
今日も元気に登校していくのであった。


・・・・だが、この先、色々な事件が待っていることはまだ知らない。


━─━─━─━─━─


「ギリギリセーフっ!」
アミティが教室のドアを開けると、ピンク色の巻き毛のツンとすました美少女の姿が目に映った。
「あらアミティさん、今日は珍しく遅刻しませんでしたわね。」
少女が話しかけると、
「むうっ、『珍しく』って言わないでよラフィーナ!」
アミティはそう返して、ラフィーナと呼ばれた少女と共に自分たちの席に着いた。
「・・・シグ、まだあの調子みたいですわ。」
「えっ、まだあの状態なの?」
アミティとラフィーナはそっと、触覚のついているような水色の髪型をした少年の席のほうを向いた。
シグと呼ばれた少年は、いつもと同じようにボーッとしているが、顔だけがいつもと違った。とてもにこやかな顔をしている。
そして、二人はシグについて話し合う。
「シグ、どうしたんだろ・・・。昨日からずっとあんな感じだよね?」
「にこやかすぎて逆に違和感を感じますわ・・・。」
「珍しいムシを見つけたのかな?シグはムシが大好きだから、幸せそうな顔をしているのかも!」
「でも、そういう時は普通一日くらいでさめますわよね?」
「・・・だよね。じゃあ一体何でだろう?」
「私の知ったこっちゃ無いですわ。」
「もうっ、ラフィーナヒドイよぉ!」
「本音を言ったまでですわ。」
・・・途中ケンカをしながら。
「やあ二人とも、何を話しているんだい?」
「あ、クルーク!」
「・・・うるさいヤツが来ましたわね」
アミティ達が(ラフィーナは少し不愉快そうに)見上げると、メガネが印象的で、『プリンプ魔導学校最優秀成績者』の証として授与された紫色の帽子をかぶった少年が立っていた。
「シグ、昨日から機嫌がよさそうだから、どうしてかな~って話してたんだ!」
アミティがクルークと呼ばれた少年に簡単に事情を説明する。
「何だそういうことか。じゃあこの未来の大魔導士クルーク様が考えてあげるよ。シグのことだから、珍しいムシでも見つけたんじゃないか?だって・・・」
「それはさっき、アミティさんが言いましたわ。」
自慢げなクルークの意見をラフィーナが止めた。
「ぐっ・・・。り、理由が知りたいのなら、本人に話を聞いてみたらいいじゃないか。何でそんなに機嫌がいいのかを・・・。」
「シグに?」
クルークが意見を出すと、アミティが首を傾げる。
「私達もそれは実行しようと思いましたわ。けれど、昨日は上手くごまかされてしまって・・・」
そしてラフィーナがまたクルークの意見を止めた。
「そうか・・・。今日もそういうことがありそうなら、ぷよ勝負をすればいい。勝ったら機嫌がいい理由を教えるという条件をつけて。」
「成る程!それなら確実に理由がわかるね!」
「ぷよ勝負に勝たないといけないけどね。けど、いいアイデアだろ?」
アミティが納得すると、クルークが自慢げにメガネをくいっとあげた。
「・・・あなたに同意なんかしたくありませんが、今回だけはしてあげますわ。」
「どういう意味だ。」
二人が睨み合った瞬間、教室の入り口の方からドアの開く音が聞こえた。
「さあみなさん、授業を始めますよ。」
「席に着くニャ!」
アミティ達のクラスの担任のアコール先生と、先生が腹話術で動かしているぬいぐるみのポポイが生徒達に呼びかける。
「じゃあ、放課後にシグと勝負したらどうだい?ボクは用事があるから一緒には行けないけどね。」
アミティだけに少し微笑んで、クルークは自分の席に戻っていった。
「ウン、ありがとうクルーク!」
アミティはお礼を言い、先生に注目した。
(放課後にぷよ勝負かぁ、楽しみだなーっ!)


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放課後。
生徒達が下校する中、アミティとラフィーナはシグを探していた。
そして・・・
「あ、シグいた!」
「やっぱり、森の中にいましたわね。」
シグの特製フルーツ入りハチミツが塗られている木の前で、二人はシグを見つけた。
「あれ~?アミティとラヘーナだ~。」
「ラフィーナですわ。」
シグの言葉をラフィーナが訂正する。
「何でここにいるの~?」
「シグが最近機嫌がいいから、その理由を聞きに来たんだ。教えて、シグ!」
シグが質問すると、アミティは答えて、そして彼女も質問する。
「え~?よくわからない~」
「もうその手には乗りませんわよ!さっさと理由を教えなさい!教えないなら、ぷよ勝負ですわ!!」
シグの曖昧な答えに、ラフィーナはいらだって怒鳴ってしまう。
シグは少し戸惑う・・・と思いきや、
「勝負?いいよ~」
すぐに返事をした。
「・・・即答ですわね。」。
「勝負頑張ってね、ラフィーナ!」
「あら、アミティさんが勝負するんじゃないのかしら?」
「ええっ、あたしが!?」
ラフィーナの言葉にアミティは思わず声をあげてしまった。
「あたし、シグより勝負が弱いの知ってるでしょ?ラフィーナが勝負しないと絶対負けちゃうよ!」
「・・・もう忘れたのね、アミティさん」
「ほえ?」
ラフィーナが呆れて自分の右足を指差す。
彼女は足をケガしていたのだ。大したケガではないが、彼女の得意の格闘術は使えそうにない。
「あー・・・そっか、ラフィーナはぷよ勝負できないんだっけ。」
「そうよ、だから早くぷよ勝負を始めなさい!」
「わ、わかったよ・・・」
アミティはシグのほうに体を向ける。
(負けないといいんだけど・・・。シグ意外と強いからなぁ。)
こんなことを考えながら。
「じゃあ、いっくよー、シグ!」
「ぷよで勝負か~」
二人の声が、勝負の開始の合図となった。