引っ越し当日。
実家から引っ越し先へは新幹線で向かう。
この病気になってからは一番長い電車の旅。
もちろん不安はあった。
安定剤を飲んで家を出る。
駅に着いたら送ってくれた母にお礼を伝えて「行ってきます。」と別れた。
ちなみに、引っ越し先では実家の猫の1匹と一緒に過ごすことを決めていた。
リュック型のペットケージにレオ君を入れて胸の前に担ぎ、手にはスーツケースを持っていた。
ひょこひょこ周りの様子を見ているレオ君に「大丈夫だよ」と声をかけながら自分の気持ちを落ち着かせていた。
新幹線に乗り込んで椅子に座った瞬間に、
「あ、大丈夫だ」
と思った。
あの嫌なドキドキがしない。
隣にいてくれるレオ君のおかげだろうか?
病気になってからの辛かった日々を思い出してしまい、どうしても涙がとまらなかった。
久しぶりのうれし涙だった。