休職最終日は美容院に行った。

復職前にさっぱりしたかった。

美容院に向かう車内でなぜか不安感に襲われ、喉の違和感がつよくなった。

 

大丈夫だろうか?

そう思ったけれど、予約しているし、明日は職場に戻る日だったので予定通り美容院へ。

 

椅子に座って、首にタオルを巻かれる。

なぜか動悸がしてきた。

美容師さんとお話をして、髪を切ってもらう。

その日はカットだけではなくトリートメントもしてもらう予定だった。

カットの間、美容室独特の匂いもあいまってか、喉の違和感が強くなってきた。

首に巻かれているタオルに、首を絞められているような錯覚を覚えた。

 

「冷静になれ自分。喉の中には何もない。息苦しいのは錯覚だ。」

 

そう考えると同時に、喉の周りの筋肉をイメージした。

それが間違いだった。

なぜか喉の周りを筋肉が締め付けるイメージにすり替わってしまったのだ。

 

もうパニック寸前である。

 

苦しい。

喉が締め付けられている。

息ができない。

 

冷静になれ、冷静になれ自分。

 

どうにかゆっくり深呼吸を心がけて、息を吸えていることを自分に言い聞かせて、

美容師さんになんとか調子が悪いことを伝え水をもらった。

 

手は冷たくなって、顔面からは血の気が引いていたと思う。

なんとか頑張って、母に「無理かも、迎えに来て」とLINEを送った。

 

しばらくすると体調は良くなり、カットもトリートメントもなんとかしてもらうことができた。

美容師さんには大変心配をおかけしたと思う。

支払いが終わり、迎えに来てくれた母の車に乗った瞬間、涙があふれ出てきた。

 

「ダメだ、明日仕事に戻るのは無理。心療内科に行こうと思う。」

 

自分が心療内科に行く必要のある状態である、とはじめて認めたのはこの時だった。

 

母は「わかったよ、病院に行こう。大丈夫。」と優しく言ってくれた。