さて、決意新たに婚活再開。
東京出張の合間に婚活パーティーに参加してきた。
パーティー参加資格の条件は30代男女であること。
それ以外には何の縛りもないはずだが、20代後半の女性から40代と思しき男性もいた。
年齢制限の意味なし。この雑な感じ、もはや懐かしい。
定番の回転寿司方式、プロフィールカードを記入すると、早々に1分間のアピールタイムが開始された。
見た目と年齢で劣るにくまつ、仕事で鍛えた愛想笑いだけを頼りにポイントを稼ぎ、来る者拒まずの精神でそのうちの何人かと雑談を済ませ、うちひとりとカップリングした。
36歳。会社員。年収450万。理系大卒。身長175cm。神奈川県在住。
特に強く惹かれるものはなかったが、それはお互い様として、会場近くの喫茶店へお誘いし、人となりを探った。
にくまつ 「へ~旅行がお好きなんですね~」
男性A 「はい。そのために最近車を買いまして。おかげでお金が無いんです」
にくまつ 「え、すごいですね!私車はあまり詳しくないんですが、都内で車って維持費も掛かりそうですね」
男性A 「ええ、駐車費用だけで月に3万掛かります。安月給なので本当に困ってます」
にくまつ 「3万!地方なら賃貸住めちゃいますねぇ」
男性A 「そうなんですよ、おまけにうちは住宅補助も出なくて。本当にやりくり大変ですよ」
うーん……あえて触れないようにしているのに、繰り返されるお金ないアピール。
「大変ですね」とさらっと流し、話題を変える。
にくまつ 「東京は大学からですか?」
男性A 「いえ、就職と同時に。大学は〇〇(某有名難関大学)でした」
にくまつ 「え?!すごい!頭いいんですね!」
男性A 「いえいえ……受験は頑張ったんですけど、その後はグダグダで。就活もまともにしなかったから、今後悔してます。最近は転職活動も始めてるんですよ」
にくまつ 「そうなんですか~どのあたりの業界を狙ってるんですか?」
男性A 「いや、まだあまり具体的には決めきれてなくて。俺って本当に適当だから……」
節目がちになる男性に心にもない励ましの言葉をかけながら、奇妙な既視感を覚えていた。
にくまつの話し方に責める要素があるのか、それとも元々そういう人ばかり集めてしまう性質のか、にくまつと面談する方々はやたらネガティブポイントを列挙する方が多い。
年末駆け込み告白をしてきた本命さん、羽鳥さんもそのタイプだった。
「僕はにくまつさんと違って、ただの平社員ですから」
「私なんておっさんです。育ちも悪いし」
「高校時代は馬鹿校でした。私立に行けるほどの余裕も家にはなかったので」
「本当、自分がブサメンすぎて嫌になります。学生時代は容姿のせいで女の子にアプローチ出来なかったし」
度々ブログに記しているように、にくまつは自分が高齢でーぶーであることも、地頭要領ともによくないことも自覚している。
だが、初対面の人間に対し、自らその点を取りあげて口にしたことはない。ましてや将来家族になるかもしれない婚活相手には。
自分のコンプレックスのフォローを相手に任せるのは怠慢だと思うし、わざわざ時間をとって会ってくれている相手にも失礼だと思うからだ。
もし、私がそんなコンプレックスを敢えて口にするとしたら、自分の好みではない相手から猛烈なアプローチを受けた時だけだ。
この男性Aも、羽鳥さんも、本命さんも、にくまつの必死さに恐怖を感じて身を守ったということだろうか?
それとも何かの謙遜のつもりなのだろうか。
いずれにせよこの手のネガティブ男子は面倒くさい。
後半はほぼスルー、やる気になったのも束の間、一気に婚活ゲージがごっそり持っていかれたのを感じたのでした。