恋愛テクニックとして語られる褒め言葉の「さしすせそ」。

さ︰さすがですね
し︰知らなかった~!
す︰すごいですね❤
せ︰センスいいですね♪
そ︰そうなんだ~!


現在33歳のにくまつ、既に会社では中堅どころ、直接耳に届きはしないものの、お局と呼ぶ者もあるだろう年齢だ。

おかげで最近は叱られるよりおだてられる方が多い。

「さすがはにくまつさんですね!」
「へ~知らなかったなぁ」
「すごい!やっぱり仕事早いですね!」
「資料作りのセンスありますね~」
「そうなんですね!勉強になりました!」


これらの賞賛を素直に嬉しいと思うより、その言葉の裏側を読み取る癖がついてしまった。

「さすがはにくまつさんですね! (こうおだてておけば勝手に仕事を進めてくれるだろう) 

というように。

そこで思った。
恋愛テクニックの「さしすせそ」は本当に有効なのだろうか?

青春真っ只中の10代なら素直に嬉しかったかもしれない。
或いは、社会人になるまでの猶予期間のなかでなら。

けれど言葉が言葉通りでないことを知ってしまった社会人は、例え話し手が言葉通りに感嘆を漏らしていたのだとしても、受け手は言葉の裏を勝手に想像してしまうのかもしれない。

「さすがですね (いいからさっさと婚姻届に判押して持ってこいよ!) 

といった具合に。

自分にとって都合の良いように事を運ぶために、人は敢えて嘘を並べるのだと知ってしまったひねくれ者達に、いくら褒め言葉を捧げたところで、より不信感を高めるだけだ。

そして婚活市場とは、このひねくれ者達の溜まり場だ。

一方で、昨今毒舌キャラが人気を博している。彼らとて真実を述べているわけではない。その発言のほとんどがお金を稼ぐための演出だろう。だが、これらの演出は世間で歓迎されている。

この事象から窺えるのは、人はお金を払ってでも本音らしきものを覗きたいと考えているということだ。
飾らないように見える人にこそ信頼を寄せ、その言を信用するものだということだ。


最早「得意料理は肉じゃがです❤」並にあざとさの象徴になってしまった「さしすせそ」、婚活市場で有効活用するためには、その言を信じさせるためのもう一手間が必要なのかもしれない。