仕事で憂鬱な事態が発生。

まあね、どんなに憂鬱で仕方なくても、勤めている限りいずれは解決するからね、仕事は。

土日に買った本、角田光代さんの「坂の途中の家」。

以前にYahoo!のブックレビューを読んでからずっと気になっていた本だったけど、この度土日に読み切り。

のめり込める作品って、言葉とその言葉が作り出す世界観が、波のように体の中に押し寄せてくる感覚があるけれども、この1冊もまさにそんな本。今自分が一番興味のあるテーマだから、というのも、もちろんあるけれども。

物語は、どこにでもいそうな主婦が、裁判員制度を通じて、乳児殺害の罪に問われている主婦の裁判に参加するところから始まる。

自分にも3歳になる娘がいる主人公は、初めこの主婦に対して「こんなにもか弱くて可愛い生き物を殺害するなんてありえない」って感想を抱くんだけど、裁判が進んでいくにつれて、「どこにでもある」「普通」の日常がねじ曲がって事件に繋がっていく様が、やがて自分の過去とも重なって、自分の中に溜まっていた違和感が呼び起こされていく、という話。

小説内の描写が上手くて、言葉が音になって入り込んでくる感じが圧倒される。

主人公に見えている違和感は、たぶん女の人ならどこかしら共感できる部分があると思う。

人は無意識に自分の常識で物事の肯定と否定を繰り返していて、それが「悪意のない暴力」として誰かを追い詰めているのかもしれない。

以前、同じくYahoo!の記事になっていたけども、日本の男性は仕事の成功がその他の選択肢を自然と豊かにするけども、日本の女性は、仕事なら「キャリア」なのか「ノンキャリ」なのか、「プライベート」は育児に家事に介護に両親親戚ご近所ママ友との付き合いはどうするのか、年齢のリミットやプレッシャーもあるなかで、常に選択と結果を突き付けられて、それが時に多方面から異なる評価や批評を受けるところがしんどいよね、という話。

 

つまりはそれぞれ異なる切り口からの「常識」を押し付けられて苦しむことになる。

結局は、日本はまだまだ「女は難しいこと考えずに愛嬌で笑って気付かないふりしてるのが一番幸せなのよ」ってところに落ち着いてしまうのかも。残念ながら。

それにしても、おかげさまで先週の土日は一番好きな土日の過ごした方ができたなぁ。

お天気のいい日に、家事をこなして、美味しいものを食べて、コーヒーを飲みながら本やDVDをみて、目が疲れたら眠って、雑音は無くて、静かだけども賑やかで贅沢な時間。

これを同じく「最高」と言える同士と、適度にお互いのテリトリーを守りながら、清潔に豊かに生活できたら素敵だなぁと思った土日でした。完。