本命さんからやたら長いメールが来た。
曰く、「正直あなたは結婚相手にはなりえないけど、友達としてキープしたい」 という内容だった。
婚活をしていると、この手のどっちつかずな俺陶酔メールをされることが多々あり、うんざりする。
私はすでに前向きに付き合いたい旨を伝えている。よって、先方は都合よく滑り止め扱いしたいだけだろう。
波長の合ういい人だと思っていただけに、こうした俺本位な提案は実に残念。
度々書いている通り、私は基本連絡無精でひとりで過ごす時間が好き。
結婚という目的を共有できないのであれば、付き合ってもない相手とマメに連絡なんてしたくない。
というか、できれば付き合ってても連絡はマメにしたくない。
ブログのように、単に壁打ちの如く、思いの丈を打ち続けるだけの作業なら、ここまで面倒には思わない。
けれど、会話には相手がいる。いわばキャッチボールが必要。
コントロールして相手のミットに投げ、相手から投げられたボールをキャッチしなければならない。
そんな作業を、相手にとって絶対的に優位な条件で続けたいと言われて、受ける人間がいるのだろうか?
私は部活のコーチでもなければ、成長を手助けするお母さんでもないのだ。
共に甲子園を目指せる同士が欲しい。立場が対等になりえないなら必要ない。
後ろ髪ひかれる思いがないわけでもないが、次の案件へ気持ちを向かわせることにした。
話は変わって。
先日、仕事で関わりのある後輩に誘われて飲みに行ってきた。
後輩は少し特殊な経歴の持ち主。
16歳で高校を中退し、家出をして歌舞伎町に入り浸っていたが、客の女とのいざこざを経験して一念発起。
大検を受けて都内某有名大学に独力で入学、卒業。その後、アメリカの大学院へ進み、見事学歴差別の激しい当社にトップ入社するというメンタルイケメンである。
そんなイケメン君、家庭事情が少し複雑。
お父様が彼が小学校低学年から鬱を発症し、今に至るまで部屋に閉じこもりがちだという。
その傍らでお母様が家計を支えたが、いわゆるパトロン的な男性を得ての大黒柱であり、精神的なプレッシャーも相まって、度々彼を含めた兄弟達に暴力で当たったらしい。
彼自身は、独学で有名大学に合格した頭脳、そこそこの収入と、歌舞伎町でぶいぶい言わせた容姿を持ち合わせたイケメンなので、女には困らないが、「家族はいらない」と言い切る。
イケメン 「家族ってそんなに大事ですかね?案外なくても平気ですよ」
にくまつ 「自分が将来ひとりになるかもって不安にならない?」
イケメン 「別に家族がいたってひとりですよ。 自分がどれだけ人生に満足できるかじゃないですか?」
なるほど。さすが苦境を乗り越えてきた人間。あっけらかんとしている。
そんなイケメン君、将来の夢は特に決まってないらしい。
今は仕事が楽しいから勤めてはいるが、飽きたら辞めて海外で暮らすかもしれないし、何もしないかもしれないそうだ。
イケメン 「人生が思い通りにならないなんて思い込みですよ。勝手に枷をつけてるだけで、本当は何をしたっていいんです」
それは兼ね備えた人の発言では、と思わないこともなかったが、確かに彼は身軽そうで楽しそうだ。
私は共に甲子園を目指せるパートナーが欲しいと思っていた。
だが一方で、ひとりが好きだという自覚もある。
会話のキャッチボールを楽しむより、選手がボールを投げ合っているグラウンドを、散歩がてらに眺めているポジションくらいが、自分にとっては一番心安らかで楽しい。
「女性でありながら、結婚出産をしないのはおかしい。」
「高校生でありながら、甲子園を目指さないのはおかしい。」
そんなふうに、どこかで拾ってきた枷を自分に課していたのかもしれない。
正直、自覚してなおこの後輩ほどしがらみは捨てきれずにいるが、少なくとも婚活をしている自分は、ひとりが好きという本質的な自分とは乖離があって、それが活動を憂鬱なものにしているのかもしれないと思った。