前月に、メル友の1件があり

私はその頃からタラさんを束縛するようになりました。

 

ケータイのチェックなんてしたくないのに、しないと不安。

気になって、その日のスケジュールを聞いてしまう。

そして、聞いて少しは安心するけど

また少し経つと不安になってくる。

 

そして、いちいち行動を聞いては

「こんなこと聞いても、また嘘ついてたら意味ないのに」

と聞いたこと自体を後悔する。

自分の浅ましい行動に対しても、自己嫌悪に陥る。

 

“本当はしたくないけど、安心の為に仕方ないこと”だと

自分にもタラさんにも言い聞かせて、ゴリ押しで見る。

 

そんな毎日を送っていました。

 

 

そんなある日、タラさんから話がある。と呼び出されました。

正直言うと

 

「あぁ、嫌になって別れを切り出されるのかな。」

 

と、ドキドキしながら待ち合わせ場所に行きました。

仕方ないんだ、こうなったのは自分の束縛のせいだ。と

自分で自分に言い聞かせながら覚悟をして。

でも、束縛したキッカケは向こうだし…とか、余計な事まで考えたり。

 

 

タラさん「実は、オカンが彼女を家に呼べってうるさくて。

結婚前提なら、挨拶に来させろって。」

 

 

挨拶に来させろ…

 

 

私「あ、そうなんだ。って言うか、結婚考えてくれてるんだ。」

 

タラさん「当たり前だよ!最初から俺は真剣だもん!」

 

 

その言葉は正直、嬉しさと不安が少しありました。

だって、この頃から束縛することが不安を解消する行為になっていて

でも、好きになった人に結婚を匂わされて嫌な気持ちになる訳もなく。

葛藤が生まれました。

 

 

私「私は、いつでもいいよ。

ご挨拶も確かに行った方がいいんだろうなと思ってたし。」

 

タラさん「じゃあ、今後の休みに夜ごはんに招待するよ!」

 

 

いよいよ、タラさん母と直接対面の日が来ました。

おかあさんの発言がちょくちょく引っ掛かっていた私にとって

この対面はものすごく緊張すると共に、

ちょっと嫌われてる感があるから、大人しくしなくちゃ。

と覚悟を決めた日となりました。

 

 

なぜ、ちょっと嫌われていると思ったか。

 

私たちは、休みが合わない分、

2ヶ月に1度だけ合うお互いの休みの日に、

朝10時頃待ち合わせをして、夜の門限まで一緒に過ごしたいと思い

他県にお出掛けすることが増えていました。

 

でも、そういう日に限って

昼過ぎ頃になるとタラさん母から電話がきて

 

タラ母「今すぐ帰ってきて!大変なことが起きたの!今すぐ帰ってきて!!!」

 

そう言うと、電話をプッツリ切ってしまう。

そりゃオカン大事なタラさんは、どれだけ遠くにいても帰ろうとします。

いや、帰るんです。

 

前に、3時間かけて他県に行った時も

トンボ帰りしました。

何もせず。どこも寄らず。

 

 

そんなに大変なことなのかと、後で聞くと

 

 

タラさん「いや、普通に庭の木の小枝が邪魔だから折って欲しいとか…。」

 

 

そんな事が数回あったので

これは、最初からあまり喜ばれた関係ではないな、と言うのが分かっていました。

 

お父さんが亡くなられてから

タラさん1人に寄り掛かり相思相愛だった様子。

(その割には長男のタラさんを蔑ろにして

 次男・三男を頼りにして可愛がっていましたが)

 

なので、横から掠め取ったようにしか思えないんだろうな…

息子をもつ母親なんてそんなもんだとも、聞くし。

 

 

そんなこんなで、2週間後のお夕飯に呼ばれることになった私。

 

メイクはほぼなし、オシャレもあまりせず。

最低限小綺麗なワンピースを着て、

いざ対面の日を迎えることになりました。

 

 

この時、先日折ったと言う「庭の木の小枝」を見せてもらいましたが

割り箸よりも細い、本当の本当に小枝でした。

ハサミも必要としない、片手で折れるような小枝。

 

これのために、私たちは往復6時間かけて戻ったのか。

 

『馬鹿馬鹿しい』

 

そんな言葉しかよぎらなかった、玄関先。

いよいよ、ご挨拶です。