NHKためしてがってん!で、「スクープ!30代で骨粗しょう症!?意外な真犯人&驚きの新薬」が2014年03月05日に放送されました。




http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20140305.html


これまでは、骨はカルシウムの単なる貯蔵庫と考えられてきましたが、最新の研究によって、骨はまるで脳のように全身の臓器を操っているというスゴイことが分かってきました。

骨の中には骨細胞がありますが、骨細胞から出ているヒゲのようなものが重力センサーになっています。
骨細胞に重力がはたらくと、全身を活性化させる特殊な蛋白質やイオンを放出して全身を活性化させることがわかったのです。


動物実験では、骨細胞が働かなくなるクスリをラットに注射すると、エサを充分与えても、ラットが栄養失調になり、体温が低下し、筋肉が衰え、免疫力低下、白血球が1/4になり、リンパ腺の萎縮して老化現象のようなことが起こるのです。


これまでは、骨粗しょう症になると、寝たきりになるので、そのせいで筋肉が衰えて、老化現象を起こすと考えられてきましたが、そうではなくて、骨がスカスカになることで骨細胞が減少し、そのせいでカラダの活性が失われ、いろいろな老化現象が引き起こされることがわかってきたのです。


今は高齢者のロコモティブ症候群が話題になっています。

高齢者の筋肉や関節の衰えが運動の機会をそいで、骨密度の低下を招いて悪循環すると考えられていますが、その順序が逆かもしれないのです。

骨密度の低下が先にきて、その結果、運動意欲の低下や生活活性の低下を招くのです。

骨細胞が減少すると、赤血球が作られなくなり、免疫力が低下し、インスリン分泌も低下します。認知症にも影響することがわかってきたのです。


10代女子の骨密度
東京調布市の桐朋女子中高校で女子中高生を対象に大規模な骨密度調査が行われました。
632人の生徒が参加。骨密度、身体の特徴、生活習慣、家族のことまであらゆることが調べられました。


Q・ためしてがってん!クイズ
女子生徒の人たちで、陸上部、新体操部、テニス部、水泳部、帰宅部のうち骨密度が高かったのはいったいどれでしょうか?


こたえ:
1位 陸上部
2位 新体操部
3位 帰宅部
4位 テニス部
5位 水泳部


1位は、もちろん骨に激しい重力がかかる陸上部でした。

水泳部は水中では重力がかからないので最下位でした。
帰宅部が3位と言うのは意外ですが、これは、運動以外にも骨密度に大きく影響を与えるものがあるからです。


先の桐朋女子中高校での調査で、骨密度に影響を与える要因の割合は、つぎのようになりました。
1位 やせ型 8%
2位 母親の骨密度 7%
3位 身長 2%
4位 運動 1%
5位 カルシウム 0%


つまり、若くて痩せている女性は、将来骨粗しょう症になる可能性が非常に高いのです。
その次に、母親の骨密度の影響が大きいことがわかりました。
これまでは、カルシウムの摂取量が重要と考えられてきましたが、ある量以上はいくら摂っても骨密度に影響を与えないこともわかりました。


ジョギングのすすめ
骨は破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞で出来ています。
破骨細胞がカルシウムを溶かし出し、そのあとを、骨芽細胞が細胞とコラーゲンで埋めます。

そのコラーゲンにカルシウムが沈着して骨細胞になります。

骨は、このようにして、全身の骨がだいたい3年ですべて生まれ変わります。


宇宙飛行士は、宇宙空間では重力がないので、地球に帰還すると、毎日リハビリテーショントレーニングをしなければなりません。

身体が元の状態になるまでには、45日間もかかるそうです。

人間の活力のためには、骨細胞はたいへん重要な働きをしているのです。


ジョギングをすると、体重の3倍の重力が全身の骨にかかります。
昔の走法は、かかとで着地し、着地の衝撃をかかとのクッションで吸収し、足湾部に沿って体重移動して、つま先で蹴って走ると教わりましたが、今は違います。

今の走法は着地の衝撃を逃がさないで、靴のかかとの反発材にじかに伝えます。

かかとの着地と同時に反対側を太ももを持ち上げます。

このようにすると、着地の衝撃が靴の反発材によって推進力に変わります。

昔の走法ではブレーキがかかり、今の走法は背骨にかかる重力が推進力になります。

私は10年以上もジョギングを続けていますが、骨密度は20才代の骨密度です。