テレビで、医師やトレーナーたちが筋肉を増やせば基礎代謝が向上し、消費カロリーが増えるので痩せやすいカラダになると言っています。
筋肉を増やせば基礎代謝が上がるのは本当です。
しかし、それを信じて、ダイエットのために筋肉を肥大させるのは賢いやり方ではありません。
実験をしてみましょう。




タニタのBC-705で測定すると、今日の私の体重、体脂肪率、基礎代謝は、次のように表示されます。


体重:66.3Kg
体脂肪率:15.5%
基礎代謝:1508Kcal


次に、両手に8.4Kgのダンベルを持って測ると、次のようになります。


体重:74.6Kg
体脂肪率:21.6%
基礎代謝:1596Kcal


基礎代謝が88Kcalアップしました。体重1Kgあたり基礎代謝が11Kcalずつアップしたことになります。
私の身体の中で何が起こったのでしょうか?


タニタの体重計は、何種類かの周波数の電流を流して、そのインピーダンスによって筋肉か、皮下脂肪かを測定しています。
ところが、ダンベルを持って体重計に乗ると、体重が増えるのですが、電流が変わらないので、体重計は皮下脂肪が増えたと計算します。
したがって、体脂肪率が15.5%から21.6%へと跳ね上がっています。


つまりは、基礎代謝は体重の関数です。

筋肉が増えても脂肪が増えても、どちらが増えても基礎代謝はアップするのです。

そうすると、仮に、筋肉が1Kg増えて基礎代謝がアップしても、その結果体重が減ったら、基礎代謝が減るので、それ以上はもっと筋肉を増やすか、食べる量を減らすかしないかぎり体重が減らなくなるのです。

だから、筋肉を増やせば、眠っていても痩せられるカラダになるというのはウソなのです。


筋肉をつけて痩せようとすると、昨日、お話した女性のように、ジムに通っているけど、脂肪も体重もちっとも減らないで、カラダがごつごつしてきたと嘆くことになります。


それではどうすれば良いのでしょうか?
体脂肪率 = 体脂肪 ÷ 体重ですから、体脂肪を減らせば良いのです。

筋肉を増やせば、体脂肪率はもちろん落ちますが、しかし、それよりも脂肪を直接減らす方が効果が大きいのです。


カルボーネン法
脂肪を効率よく燃やすには、最大心拍数の50~60%で運動すると、もっとも効率が良いことがわかっています。最大心拍数は次の式で計算します。


最大心拍数 = 220 - 年齢


たとえば、あなたの年齢が30歳とすると、220 - 30 = 190が最大心拍数です。

その最大心拍数の60%、すなわち、190 x 0.6 = 114 の心拍数で、スロージョギングをすると、脂肪がもっとも効率よく燃えるのです。
ただし、安静時の心拍数が高い人は、この計算式で合わないことがあります。
その場合は、次の式で計算します。


目標心拍数 = ((220 - 年齢)- 安静時心拍数) * 0.5~0.7 + 安静時心拍数


脂肪の燃焼は距離に比例

脂肪の燃焼量は、走った距離に比例します。
速く走れば消費カロリーが増加しますが、時間が短くなるので、脂肪の燃焼量はかえって少なくなります。
ゆっくり走ると、脂肪のエネルギー比率が多くになり、走行時間も長くなるので、脂肪の燃焼量が多くなります。


たとえば、4Kmの距離を1時間かかって歩いても、30分で走っても、20分で走っても、脂肪の燃焼量はほぼ同じになります。


心臓の回転数をゆっくり上げていく
心臓の回転をゆっくり上げていくと、楽に長時間走れるので、結局脂肪の燃焼量がもっとも多くなります。
次のようにします。


最初の2分間は心拍数90で走り、次の2分間は心拍数100、その後は2分ごとに心拍数を10ずつ上げていって、心拍数が目標心拍数に達したら、その心拍数で走り続けます。
このように心臓の回転を徐々に上げていくと、驚くほど楽に走れて、遠くまで走れるようになります。