食欲抑制剤
食欲抑制剤なら、楽に体重が落ちそうだという考えは魅力的です。

たいがいの人が淡い幻想をいだいていますが、実はそんなに効きません。

食欲抑制剤は高度肥満者のために開発されたもので、急速に落とすためのものでも、楽に落とすためのものでもないからです。

一般に、麻薬系の薬品には副作用がありますが、その副作用のうちの食欲不振に着目して開発されたのが食欲抑制剤です。

ですから、どの抑制剤にも副作用があります。

副作用には不眠、不安感、動悸、高血圧、心臓うっ血、頭痛、渇口、脳内出血、肝臓障害などです。

このために、効果を上げると副作用が強くなりすぎますし、副作用を抑えると、効果があまりでないのです。

もしも、食事制限なし、運動なしで、強力に痩せられるという食欲抑制剤があるとしたら、それは必ず強い副作用があり、あなたの健康を害するものです。


どのくらい効くか
エフェドリン、フェニールプロパノラミン、フェンフルラミンは似通った化学構造をもっていて、いずれもハーブから抽出されます。

私はこのうち、エフェドリンとフェニールプロパノラミンを使ったことがあるので、参考のために紹介します。

ダイエット7

食欲抑制剤がどのくらい効くかは、配合されている量によります。

私が使用した食欲抑制剤は、デキサトリム社のダイエットエイドとナチュラルで、ダイエットエイドにはフェニルプロパノラミンが75mg、ナチュラルにはエフェドリンが12mg含まれています。
で、どのくらい効くかというと、


ダイエットエイド


ダイエット7

朝、朝食を少なめに食べます。お腹がすいてくる10時頃にダイエットエイドを1錠飲みます。

昼食を普通に食べると、3時のおやつは要りません。

夕食を普通に食べたら、ダイエットエイドが効いている間に早く寝ます。

全体としては、食事の量を減らすというよりも、間食しないでいられる分だけが助かるという感じです。


実際のところ、Diet7の体重グラフを見ると、私の摂取カロリーのグラフは、食欲抑制剤を飲んでいる期間は大波小波がぴたりと収まっています。


ちなみに、日本の一部の風邪薬にはフェニルプロパノラミンが150mg入っていますが、ダイエットエイドの量はその半分ですから、食欲が減退するというような感覚を受けることはありません。

ナチュラル
抑制成分の配合を少なくして、その代わり朝鮮人参や生姜などで空腹時のパワーを補うとメーカーでは説明しています。


10時と15時に1錠ずつ飲み、2週間続けたら1週間中止して、食習慣を変えていくようメーカーでは指示しています。

しかしながら、効果は非常に穏やかで、飲んでも飲まなくても変わらない感じでした。

はっきり言って、効いている感じはしません。


デクサトリムナチュラルの成分



ヨード 30mcg
クロミウム 250mcg
バナジウム 100mcg
緑茶エキス 200mg
ハートリーフ 120mg
カフェイン 40mg
エフェドリン 12mg
朝鮮人参 100mg
シナモン、生姜、サルサ根、50mg


今でも、これらの食欲抑制剤をインターネットを通じて購入することができます。

ある掲示板では、食欲抑制剤には相性があって、人によっては効いたり効かなかったりするとか、私には何色の箱が効いたとか、箱の色には関係がなさそうだとかのディスカッションがなされています。


デキサトリムはどの箱にも、食事療法と運動の併用が必要と書かれています。

食欲抑制剤は飲むだけで効くわけではありません。

重要なのは、何がどのくらい配合されているかということです。


2年ほど前に、アメリカの病院で脳内出血患者に若い女性が多く含まれていることが報告されました。

その後、詳しい調査が行われて、食欲抑制剤が6人に1人という高率で脳内出血を引き起こす可能性があることがわかり、一部の食欲抑制剤が自主回収、販売禁止になりました。


食欲抑制剤は人体にとって毒物です。解毒のために肝臓に重い負担をかけます。

効果があるものは危険ですし、危険でないものは効果がありません。

箱の色など見ないで、成分の量と注意書きを読むことが大切です。


妊婦、高血圧、糖尿病、心臓病、摂食障害、アルコール中毒、鬱、不整脈の症状または病歴がある人は使用できません。


中国茶は効くか
中国茶に混入された成分を分析すると、極く微量のフェンフルラミンが混入されたもの、効果を狙って大量に混入されたもの、海賊版などが出回っているので、飲んだ人の評価はさまざまです。

効果がなかったものは安全ですが、一部には、心臓がばくばくし、吐き気がし、顔がほてり、喉が渇くなどの症状が出るものがあります。

中には、肝臓に重い障害を与え立ち上がることさえできなくなり、我慢して続けると死に至るものがあります。

中国のダイエット茶は効くでしょうか?

アメリカですでに症例があるように、健康を害するものは効くでしょうし、安全なものは1箱1万円の高価なものでも効かないというのが実情だと思います。


一連の健康被害が出たとき、成分が日本で未承認だということにマスコミの焦点が合わされました。

このため、問題の本質が見失われてしまいました。

肝臓障害を起こした人が飲んだ製品が残っていたのですから、フェンフルラミンが何mg混入されていて、それが海賊版なのかどうか解明すべきだったのです。

中国のメーカーがいちいち日本の厚労省の許可をとって製造することはないのですから、未承認の成分があってもおかしくありません。

それよりも、いかに無責任に成分が混入されたかを解明すべきだったのです。

マスコミの報道をミスリードしたのは誰なのでしょうか。


フェンフルラミンの副作用
血圧上昇、頻脈、動悸が起こり、瞳孔反射の鈍化によるウトウト状態が患者の約67%に発生する。
また、悪心、下痢、便秘、気分不快、口渇、不眠症、めまい、頭痛なども起きている。
大量投与により、精神障害や震え、戦慄が起こる。