摂食障害親の会
今から十数年も前に、「摂食障害」という本が、摂食障害親の会から出版されました。
当時は、まだ拒食という言葉しかなく、すべてが拒食と呼ばれていました。


摂食障害親の会は、さまざまな症例を紹介して摂食障害には拒食と過食があること、摂食障害という言葉を広く世間に知ってもらいたいという思いをもって出版したのでした。
摂食障害親の会は、また、摂食障害は母娘相克の病いです。すべての摂食障害が母娘の問題に行きつくのですと書いていました。この点は今も同じです。

患者はなぜ過食するのか、どうすれば治るのかを知りたくて診察を受けるのですが、医師は患者の過去や母娘の関係を根掘り葉掘り聞くばかりです。
どんなに忍耐強くて賢い母親でも、長い子育ての期間中には、一度や二度は反省しなければならないことがあって当たり前です。

あらを探せば誰だって思い当たることがあると思います。
しかし、摂食障害の原因がすべて本当に母親だけの問題なのでしょうか?

そんな母親のつらい思いが感じられる本でした。
今なら、摂食障害の原因の大部分が間違ったダイエットからきていることがわかっているのですが。


ダイエット7


患者側から見た医療機関への満足度は、処方される薬の効果、医師の治療技術、治療時の患者の意思尊重、医師との対話などで評価されます。
下図には、摂食障害は含まれていませんが、評価すれば認知症の場合よりも悪い、最悪の評価になるのではないでしょうか?


几帳面でまじめな性格の人はストレスを深刻に受け取りがちですから、認知療法や行動療法によって、人生をもう少し気楽に生きる方向に誘導し、ストレススキルを向上させることによって回復をはかるというのが現在の摂食障害の治療法です。

確かに、小さなことに拘ってなかなか先に進めない性格の人もいます。しかし、たとえ、几帳面でまじめな性格の人でも、ダイエットがうまくいっていれば、過食にはならないのです。


熱が出たらインフルエンザか、肺炎か、結核か、病気の原因を調べることが必要です。同じように、過食の場合も原因の究明が必要です。治療の方向が間違っていなければ、どんな性格の人でも、1ヶ月もしないうちに改善の兆しが見えます。1ヶ月かかって治らないとすれば治療の方向が間違っているのではないでしょうか?


下図は、私のサイトで、過食症の人たちに過食からの回復のしかたをたずねた結果です。
「病院に行く」と答えた人は3.1%でした。病院に行っても、何も教えてくれないというのが彼女たちの不満です。




ダイエット7

過食が治ったら
過食が治ったら、あなたがどのようにして治したかを他の人たちにも教えてあげてください。
過食症患者の中には、患者仲間の言葉しか信用できなくなっている人たちがいますから、過食を治した人がその経験をどんどん発信すれば、救われる人がたくさん出てくると思います。