食事誘導性熱
食べ物を消化するには、身体は消化液の生成や分泌のためのエネルギーを消費します。


ダイエット7

たとえば、牛肉100gには20gの蛋白質が含まれています。
この20gの蛋白質を消化するために、胃壁から約20gの消化化酵素を分泌して、2時間かかって消化されます。
胃壁から分泌した消化酵素は、その後小腸で回収されますが、1割が回収できずに損失になります。

また、2時間かかって消化している間に熱が発生しますが、これも損失になります。

このように、食べ物を消化するときに失われるエネルギーを食事誘発熱または特異動的作用と呼びます。


損失エネルギー
食事誘導性熱で消費されるエネルギーは、

糖質:摂取エネルギーの約6%
脂質:摂取エネルギーの約4%
蛋白質:摂取エネルギーの約20~60%です。


食べもののエネルギー吸収率
食べ物のカロリーから食事誘導性熱損失を差し引くと、

糖質:94%
脂質:96%
蛋白質:60~80%
が吸収されることになります。


蛋白質はエネルギー効率が悪いので、たくさん食べても太らない
牛肉100gあたりの熱量は180Kalですが、吸収率が平均すると70%なので、牛肉100gあたりの実質熱量は、180 x 0.7 = 126Kcalということになります。


ご飯100gの熱量は168Kcalですが、吸収率が94%なので、ご飯100gあたりの実質熱量は168 x 0.94 = 158Kcalとなります。


蛋白質食品はカロリーが高くても、消化時にエネルギー損失があるために、実質的には低カロリーな食品が多いのです。
したがって、同じカロリーでも蛋白質が多く含まれている料理は実質的なカロリーが低く、糖質や脂質の多い料理は太りやすくなります。

実際、魚や鶏肉など蛋白質の多い料理を食べると、その日の摂取カロリーがかなり高くなりますが、翌日の体重は、カロリーが高かった割には体重が増えていません。

体重グラフはむしろ低下しているかもしれません。

このように、グラフで観察すると、実質的な基礎代謝が上がります。

蛋白質を消化するには、3割ものロスが生じるのですから、実施的代謝が上がるのです。