陸上長距離をしています。顧問の先生に太り過ぎを注意されたので断食します。断食について、詳しいことを教えてください。身長156㎝、体重46kg、15才です。


15歳で身長156㎝の人の標準体重は49Kgです。平均体脂肪率は27%です。
あなたの体重は1Kg減らせば、標準体重ですから、断食などしなくても、朝食のパンを1/2にし、夕食は、おかずを全部食べて、ご飯だけ1/2するだけで、1ヶ月あれば体重が落ちるのです。


顧問の先生は、女子生徒には、言葉に注意しないといけませんね。
女子にとって、太りすぎといわれることは代ショックですから、断食までに追い込んでしまうのです。


> どれぐらいの期間やればいいのか?


3日間だけでやめましょう。あとで、断食よりもきちんと減量できるダイエット法を教えてあげます。
その前に、断食中に守らないといけないことをお知らせします。


総合病院の点滴生活

私は総合病院で、10日間の点滴生活を送ったことがあります。
点滴生活というのは、一日に96glのブドウ糖と2リットル水を静脈注射するだけで、口からは一滴の水も飲ませてもらえません。


点滴中は、6時間ごとに看護師さんが見回りにきて、血圧と血糖値を測ってくれますが、血糖値はいつ測っても115mg以上ありました。

空腹感は、血糖値が100mg以下に低下したときに起こりますから、点滴中は患者はまったく空腹感が感じていないことがわかります。


この10日間の点滴生活とその後の2日間の重湯とお粥の復食で、体重が1.5Kg減りました。
入院中の行動は、トイレに行く以外は、ベッド上に限られていましたが、除脂肪体重が変わりませんでした。つまり、筋肉量は減りませんでした。


糖新生

点滴で、964gのブドウ糖を注射する理由は、つぎのとおりです。
断食をすると、体が消費するエネルギーで体脂肪がどんどん消費されていきます。
仮に、患者の基礎代謝が1400Kcalとすると、一日に、1400 ÷ 7.2 = 194gずつ体脂肪が減っていきます。


ただし、脳のエネルギーはブドウ糖なので、脳だけは脂肪をエネルギーにできません。

脳のエネルギーが途絶えると、すぐに死んでしまいますから、身体は筋肉を分解してブドウ糖を作って脳に供給します。
肝臓が糖以外の物質から糖を作って脳に供給することを糖新生といいます。

糖新生によって、筋肉が分解されては困るので、脳のエネルギーのブドウ糖を静脈から注射するのが点滴注射です。


100g砂糖水断食
総合病院の点滴注射を応用したのが、100g砂糖水断食法です。

100gの砂糖を2リットルの水にといて、喉がかわいたら、ちびりちびりと飲むのが100g砂糖水断食法です。

100g砂糖水断食法も空腹感を感じません。

100g砂糖水断食法については、下記のリンクを読んでみてください。
http://bikennraku.cocolog-nifty.com/dietdiary/2004/05/post_1.html


淡路島断食道場

どんな断食法でも、糖新生による筋肉分解を避けるために、100g以上の糖質を摂ります。
淡路島に五色村断食道場があります。

あるタレントが、この断食道場で3日間の体験レポートをしました。

この断食道場では、バナナ味の砂糖水スペシャルドリンクを一日に3回飲みます。

一日に3回スペシャルドリンクを飲み、小さな和室でテレビを見たり、構内の庭を散歩したりして過ごします。

毎朝、尿検査をして、ケトン体が検出できたら、断食は成功です。

3泊4日で98,000円だそうです。


ヨーグルト断食
断食をすると、つらいのは、どの断食でも確実に便秘することです。
それは、大便の材料になるものを一切食べないのですから、当然です。

断食をすると、最初の2日間で、体重が1.5Kgくらい落ちます。

これは、それまで腸管内に詰まっていた内容物が2日間で排泄されるからです。

2日間で内容物が排出されたあと、大便がつくられないのですから、当然体重が落ちます。

しかい、体脂肪は一日あたり194gしか減らないので、断食の最初で体重が1.5Kg落ちても、それは本当の体重が落ちたではないのです。


私は、何回か断食や糖質制限食を試しましたが、どれも便秘します。

ヨーグルト断食なら、便秘しないのではないかと思ってためいましたが、やはり便秘します。
ヨーグルト断食
http://diet.goo.ne.jp/howto/re0804_no1/02.html


断食の結論
糖新生による筋肉の分解を防ぐために、少なくとも一日に100g以上の糖質を摂取してください。


復食のしかた
断食明けの食事はつぎのようにします。
朝食:重湯、具なし味噌汁
昼食:五分がゆ、白菜の煮物、すまし汁
夕食:八分粥、豆腐、白菜の煮物、味噌汁

復食の理由:
断食中は、肝臓が血液中のアミノ酸から糖を作って、血糖値を維持しています。

肝臓が糖新生によって血糖値を維持しているときに、不用意に糖質を摂取すると、糖新生が直ちにストップするので、血糖を維持できなくなり、血糖値が低下します。


そして、胃で糖質が消化されはじめると、すい臓からインスリンが分泌されます。

インスリンは筋肉や肝臓のブドウ糖吸収を促進するので、血糖値がさらに低下します。

つまり、糖新生によって血糖値が維持されている状態で、いきなり糖質を食べると、食べれば食べるほど空腹感が増す感じがします。そのために、大量に食べることになります。


これは、糖尿病患者の低血糖発作と同じような状態です。
低血糖時に何かを食べると、われを忘れて無我夢中になり、餓鬼のようにむさぼり食べるので、信じられないくらい大量に食べます。

ですから、断食明けの日は、重湯やお粥でゆっくりと復食していかなければならないのです。

2日目以降は次のような食事にしてください。
下図の食事は1300Kcalです。身長156㎝、体重46kg、15才、女子の基礎代謝に相当するカロリーです。過食症にならないよう充分に気をつけて復食してください。


> 水だけを飲めば良いのですか?


2リットルの水に砂糖100gを溶かして飲んでください。


> 運動量が多くても断食して大丈夫か?などを教えて頂けたら幸いです。


運動をすると、低血糖でぶっ倒れると思います。
正確には100g砂糖水に加えて、運動量の1/10の蛋白質と運動量の1/2の砂糖の摂取が必要です。そうしないと、筋肉が分解されます。

基礎代謝が1281Kcalの人がジョギングを1時間すると、386Kcal消費しますから、蛋白質10gと砂糖48gを追加する必要があります。


正しいダイエット
身長156cm、体重49Kg、15才、身体活動1.5、女性の消費カロリーは、
基礎代謝=1281Kcal
日常生活=640Kcal
合計=1921Kcalです。


下図の食事は1500Kcalです。あなたの消費カロリーの約80%です。
このくらいのカロリーの食事が腹八分目の食事です。
食事は野菜中心の食事にし、野菜から先に食べ、炭水化物を最後に食べるようにしてください。
ご飯を半分にします。ご飯1杯が110gです。
最初の1週間はお腹がすきますが、2週間目からは慣れます。

1週間がんばって食欲をリセットしてください。
あなたが、このような食事をすると、1ヶ月に1.8Kg痩せられます。


断食などしなくても、下図のような食事をして、毎朝1時間、ゆっくりジョギングすれば、1ヶ月で3.4Kg痩せられるのです。
すぐに断食をやめて、腹八分目のダイエットに切り替えることをおすすめします。

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