T氏と私ー引きこもりとの対話 中編 | 40K痩せるまで続くblog

T氏と私ー引きこもりとの対話 中編





 前編
http://diet40.ameblo.jp/entry-47cc528d945a3b719fcf54c377e78e26.html




 『ピンぽーん』

 チャイムを鳴らすと、暫く沈黙が訪れた後、家の中から
音がした。それから暫くした後、玄関の中にに灯りが灯っ
た。
ドアが開き小さな女の子が口を開いた。
『はい、どちらさまですか?』
 何故かその女の子は不安そうに震えている様だ。やけに
肌が青白いのが印象に残った。
『ああ、T氏と知り合いの者なんだけど、』
顔見知りである事を伝え、取り次いでもらう様に頼んだ。
取り敢えず話をしなければ仕方ない。
『ちょっと待ってて下さい。』
そう言うとまたドアを閉じて奥へと消えていった。
それにしてもどうしてこのコはこんなに怯えているのだろ
う?やけに丁寧な言葉遣いにも少し違和感を覚えた。

、、、遅い。

 いったいどうしたのだろう?奥に消えてから暫くが経つ
が一向に誰かが現れる気配は感じない。
 少し痺れを切らした頃にもう一度女の子が戻ってきて言っ
た。
『会いたく無いそうです。帰ってもらってくれって。』
 どうやら一筋縄では行かないらしい。
『頼むよ。五分だけでも良いんだ。なんとか頼んでみてく
れないかな?』
 とりあえず伝える。
女の子は暫く考え込んだ後こう言った。
『はい、駄目だとは思いますが、もう一度言ってみます。』
『お願いします。』
そこでまた待つ事になった。


 遅い。なんだかさっきよりも長い様な気がする。いった
いどうなってしまったんだろうか?
 幼なじみなので簡単に会えると思っていたがどうやら簡
単には行かないのかもしれないな、と思っていると女の子
が戻って来て言った。
『あの、これを渡してくれ、ってゆう事です。』
 ノートの端を切り取った紙切れを受け取る。


そこには只一行、メールアドレスだけが記されていた、、、





 家まで帰ってきた私はパソコンの前に座り、メーラーを
立ち上げた。
色々考えたが、シンプルに行こうと決めた。

『や、ひさしぶり、○○だよ、懐かしいね。最近どう?』

 取り敢えず指定されたアドレスに送ってみる事にした。
その日は取り敢えずそれでよしとして眠る事にした。
返事が来ればいいが、、、、

 所が、それから何日経っても返事が来ない。
(こりゃだめだ、、、)
と思った頃に返事が届いた。
緊張しながらメールを開封する。
開いてみるそこには只一言、

『普通』

とのみ記されていた。

 これには困ってしまった。会話にすらなっていない。こ
の後に話が続かないではないか。
 どうやら相当壁が深い事を悟った私は、暫くとりとめも
無い会話続ける事にしてみた。

 そして、暫くの間、私が数行程のメールを出すと一行の
メールが数日後に届く、というやり取りが続いた。

 そして一ヶ月が過ぎていった。
最初の頃こそ興味本位でおもしろがっていた私であった
が、こうも返す返す一行の返事が返ってくるのには正直ま
いり始めていた。そこである日今度会って話そう、という
趣旨のメールを送ってみた。

、、、返事は何日待っても帰ってこない。痺れを切らした
私は取り敢えず家まで行ってみる事にした。コートを手に
取り車のキーを廻した。


 家の前に立つ。この前と同じ様にチャイムを鳴らした。

『ピンポーン』

 暫くするとこの間の女の子が現れた。相変わらず怯えた
様な仕草と青白い肌が印象的だ。
『はい』
『あ、この間の者ですが○○君に取り次いでもらえます?』
『解りました。』
そう言うとまた奥へと消えていった。
例によって暫く待たされた後、戻ってきて言った。
『あの、やっぱり会いたく無いそうです。』
『そうか、、、悪いんだけどもう一度頼んでみてくれない
かな?悪いね!』と粘ってみる。
『解りました。』
とだけ言って再度奥へと消えていった。
暫く待たされた後女の子が現れて言った。
『あの、今日は駄目だそうです。明日来てくれって言って
ます。』
会ってくれるらしい。
『解りました。それじゃ出直します。』
どうやら思い切ってやって来て正解だった様だ。少なから
ず進展はあった。
 次の日にまた出直す事にしてその日はそれで帰った。


 次の日の夕方、再度男訪れてみる。チャイムを鳴らす。

『ピンポーン』

女の子が現れる。
『あの、お願いします。』
『はい、待ってて下さい。』
と言うといつもの様に奥へと消えていった。
今度は玄関の中まで通された。ほの暗い廊下を見据えなが
ら待つ。永遠ともとれる程の時間が流れたかと思った後、
彼は現れた。




  続く