電車に揺られて
『次は~おかちまち~おかちまち~』
電車のアナウンス。
4,5歳のかわいい女の子が、
『ママ、お菓子町だって!降りよう』
お菓子町。
なんて、かわいいことを言うの。
こちらも思わず笑みがこぼれる。
あ~そういえば、
うちの息子も昔は、
私のこと『ママ』って呼んでたっけ。
それがある日突然
私の呼び名が
『ママ』から『母ちゃん』になった。
『ママ』って呼ぶの
恥ずかしくなったのかな?
『母ちゃんでもいいけど急のどうしたの?』
たずねた私に息子が言った。
『あのね、ママって言うのはね、若くてかわいい人のことなんだって』
はぁ!
だったら、『ママ』でいいでしょ!『ママ』で!
『ママ』じゃだめなの!?
まったく、誰に吹き込まれたのか。
そして、彼はどういう理由で、
『ママ』ではなく
『母ちゃん』を選択したのか。
理由もわからないまま
そう、それからずっと
『母ちゃん』に。
ひとつ救いもあった。
だんなも
『パパ』から『父ちゃん』に
なった。
だんなが、気の毒で、
あえて、『パパ』定義は聞かない事にした。
そして大きくなった彼は、
『ママ~お金かして~』
といってくる。
ふざけんじゃねえ!
幸せ気分を味わえた『お菓子町』
そして
降りた駅は、
『タカダノババぁ』 だった。