ジャニーズ会見で「おぞましい姿目の当たりに」「八百長のよう」 出席した記者が怒り露わ...同業者に苦言も
10/2(月) 20:43配信
ジャニーズ事務所が2023年10月2日、都内で記者会見を開いた。
質問は「1社1問」「質問は簡潔に」と事前に司会者から通達があった。しかし、ルールや質問者の指名を巡り混乱が起き、記者から怒号が飛ぶ場面があった。
会場で取材していたネットメディア・アークタイムズの尾形聡彦編集長は、今回の会見を「八百長」とツイッター(現・X)で評している。
■「八百長のような不正なルールを容認するわけにはいきません」
質疑応答では、割り込んでの質問や、事前の通達を守らない記者がおり、会場は騒然となった。「なぜ後ろばかり指名するんですか」などと不満があがり、「ちゃんとルール守れよ」「静かにしろ」と記者間でトラブルとなる場面もあった。ジャニーズアイランドの井ノ原快彦社長が「落ち着いていきましょう、みなさん」と呼びかけるほどだった。
尾形氏は、「当てていただけないでしょうか」「早くからここに来ているんです」とアピールし、他の記者から批判の声もあがった。井ノ原氏には「喧嘩しない喧嘩しない」と諫められた。
尾形氏は会見を受け、「井ノ原氏は『ルールを守って』と私に言い、隣の芸能レポーターたちは拍手していました。しかし、厳しい質問をするであろう私と望月(衣塑子、アークタイムズキャスター兼東京新聞記者)さんを絶対に当てない、という八百長のような不正なルールを容認するわけにはいきません」とXで吐露した。
「最初は当然質問が当たるだろうと思って、黙って手を挙げていました。が、ジャニーズ事務所と司会者側の最前列の私たちを当てないという意思が、会見が進むにつれて明白になりました。途中から、会場で声を上げざるを得ませんでした」
「一体何を怖がっているのでしょうか」
尾形氏は主要国の記者会見では最前列の人から順に当てられるとし、今回の会見は「不自然極まりない」「一体何を怖がっているのでしょうか」と指摘する。
さらに、他の記者やカメラマンからのヤジに驚いたとする。
「不正な『ルール』であってもジャニーズ事務所の意向に従え、と言う彼ら彼女らの忖度と共犯性が、ジャニー喜多川氏の性加害を50年にわたって続けさせてきた原動力であり、その共犯関係がいまも根強く続いていることを思い知りました」
自身を批判するメディアに対して「あなたは、八百長を強要するルールを守れと言うのか。そして、あなたたちはジャニー喜多川氏の数十年に及ぶ性加害のなかで、何をしてきたのか。メディア人としての悔恨や怒り、責任感は全くないのか、と」と問うた。
「社会の公器である、記者やカメラマンたちが、性加害問題を解明しようとは全くせずに、逃げるジャニーズ事務所に同調して私たちに匿名でヤジを浴びせ、ジャニーズ側に同調して拍手までしている」
「今日の会見で性加害問題を数十年隠蔽してきたジャニーズ事務所の体質が全く変わっていないことが露呈しました。そして共犯であるテレビ・新聞が、追及しようとする記者たちに怒号を浴びせる、おぞましい姿を目の当たりにしました」
以下、尾形氏のツイート
https://x.com/ToshihikoOgata/status/1708775014458372199?s=20
Toshi Ogata (尾形 聡彦)@ToshihikoOgata
ジャニーズ事務所の会見。最前列の真ん中に座って、ずっと手を挙げ続けた私と望月さんを絶対に当てないことを事前に決めていたとしか思えない会見で、失望し、憤りを覚えました。
井ノ原氏は「ルールを守って」と私に言い、隣の芸能レポーターたちは拍手していました。しかし、厳しい質問をするであろう私と望月さんを絶対に当てない、という八百長のような不正なルールを容認するわけにはいきません。
最初は当然質問が当たるだろうと思って、黙って手を挙げていました。が、ジャニーズ事務所と司会者側の最前列の私たちを当てないという意思が、会見が進むにつれて明白になりました。途中から、会場で声を上げざるを得ませんでした。
米国など主要国の普通の記者会見は最前列の人たちから順々に当たっていくのが常です。それは、私が出てきたトランプ大統領会見や、オバマ大統領会見でもそうですし、安倍元首相ら日本の会見もそうでした。
芸能リポーターたちの芸能人の囲みの会見でも一番前にいる人たちがまず質問します。今回の会見は、芸能リポーターがタレントを二重か三重で囲んでいる会見で、その輪から遠く離れた部屋の向こう側にいる人をわざわざ探して当てているような、不自然極まりないものでした。
ジャニーズ事務所が今日行った会見は、こうした世界や日本の会見のルールとは全く違い、私たちArc Timesをとにかく当てない「八百長会見」でした。井ノ原氏は、「大人はルールを守って」という趣旨のことを言いました、しかし、そもそも八百長といっていい「ルール」を敷いていたジャニーズ事務所こそが、日本や世界の会見のルールを守っていないと思います。
私はオバマ大統領会見やスペースXのイーロン・マスクCEOの会見など世界各地で信頼を得て質問してきましたし、「ルールを守れ」などと言われたことはありません。
むしろ海外では、質問させるべきだ、と他の記者が加勢してくれるのが常です。 最前列にいる記者は質問するためにかなり早い時間に来て待っています。
私たちは今日、受付の1時間以上前から並んで待って最前列に座りました。最前列は、記者の意欲の表れです。だから、トランプ大統領でも、イーロン・マスク氏でも、安倍元首相でも、近くにいる記者から質問を当てていました。
その世界や日本の普通の会見と比べて、今日の会見は異常でした。あそこまで、私たちからの質問から逃げるジャニーズ事務所は、一体何を怖がっているのでしょうか。
性加害問題で、説明責任を逃げずに果たすつもりはないのでしょうか。 驚いたのは、真面目に質問しようとする私たちに対する、テレビや新聞の大手メディアのスチールカメラマンやビデオカメラマンたち、芸能リポーターたちからのヤジでした。
不正な「ルール」であってもジャニーズ事務所の意向に従え、と言う彼ら彼女らの忖度と共犯性が、ジャニー喜多川氏の性加害を50年にわたって続けさせてきた原動力であり、その共犯関係がいまも根強く続いていることを思い知りました。
カメラマンが私をヤジりながら、レンズを私に向けたので、私も彼らを動画におさめました。 多くのメディアが、私や望月さんを批判する記事を書くでしょう。
私は彼らに問いたいと思います。あなたは、八百長を強要するルールを守れと言うのか。そして、あなたたちはジャニー喜多川氏の数十年に及ぶ性加害のなかで、何をしてきたのか。メディア人としての悔恨や怒り、責任感は全くないのか、と。
今日あったのは、1950年代から、少なくて数百人、2週間前に開いた補償窓口にすでに400人超が問い合わせていることを考えれば、おそらく数千人の子供たちへの性加害を容認してきた企業の記者会見です。
これは、米国のジェフリー・エプスタイン事件やハービー・ワインスタイル事件よりおぞましい、戦後史に残る、世界でも最悪といっていい性加害事件です。
その場で、新社長や新副社長に説明責任を求める私たちの質問から、ジャニーズ事務所は徹底して逃げようとしました。
東山氏は私の質問に少しだけ答えましたが、マイクを持った質問はさせてもらえませんでした。 そしてその状況を、社会の公器である、記者やカメラマンたちが、性加害問題を解明しようとは全くせずに、逃げるジャニーズ事務所に同調して私たちに匿名でヤジを浴びせ、ジャニーズ側に同調して拍手までしている。
今日の会見で性加害問題を数十年隠蔽してきたジャニーズ事務所の体質が全く変わっていないことが露呈しました。
そして共犯であるテレビ・新聞が、追及しようとする記者たちに怒号を浴びせる、おぞましい姿を目の当たりにしました。 この問題は全く終わっておらず、むしろ解明が始まったばかりであり、ジャニーズ事務所やそれを取り巻くメディアが必死の隠蔽を続けようとしているのだ、ということを体感しました。それは多くの方に伝わったと思います。