いつもありがとうございます。
ハッピーダイエットの船田です。
あと数年で日本のコメが異常になる。
2025年からいくつかの県で主力米が放射線照射されて遺伝子異常を起こした品種に入れ替わる。いずれ全国でそうなると思う。
ゲノム編集米は人気なさそうなので、放射線照射育種米が主力になるようです。まあゲノム編集米が認知されるまでのつなぎかもしれませんが。
もうコシヒカリとあきたこまちは遺伝子異常育種のヤバいコメになるよ!
放射線を照射して突然変異したお米、食べたいですか? 育てたいですか? ここ数年で日本のお米の多くが放射線かけて作った品種に代えられようとしています。
あまりに重大な問題なので、2月末から慎重に情報収集してきました。2025年から少なくとも2つの県で主力品種が放射線育種米に切り替えられ、他の道府県でもその動きが進む可能性があります。
この放射線育種米とは、稲に放射線を放射して、突然変異を引き起こさせて作ったお米です。人間にとっての致死量の閾値が1.5グレイで、7グレイで100%が死ぬと言われますが、それをはるかに上回る放射線(40〜300グレイ)を照射して、稲の遺伝子に損傷を与え、育てた中から従来にはない性格を持つ品種が生まれるというものです。
実は日本ではお米だけでなく、大豆、野菜、果樹など多くの作物が放射線照射で突然変異品種が作られており(1)、米国を大幅に上回る品種が作られています(2)。
今回の放射線育種米が出てきた背景ですが、実は日本はカドミウム汚染の高い地域ということがあります。カドミウムは富山県のイタイイタイ病の原因となった鉱物で、電池やメッキなど産業的にも使われ、日本には鉱山周辺などでカドミウム汚染が高い地域があります。
さらにこのカドミウム汚染で問題になるのは、ウクライナへの侵略戦争以降、急に利用が拡大している下水汚泥肥料です。下水汚泥にはカドミウムが含まれている可能性が高いので、それを肥料に使えば農地のカドミウム汚染が深刻化してしまいます。
放射線によって稲の遺伝子osnramp5の1塩基を破壊することによって、カドミウムを吸収しにくくなることがわかり、その破壊された遺伝子(osnramp5-2)を持つ品種として「コシヒカリ環1号」が開発されました(2015年品種登録)(3)。
そして、これを全国に拡げるために、全国で作られている主力品種と「コシヒカリ環1号」の交配によってすでに少なくとも41品種が開発されていることが確認できます。全国化に向けて急速に動いていることがわかります。
秋田県は今年2月24日の県議会で、秋田県の主力品種である「あきたこまち」を2025年から「コシヒカリ環1号」と「あきたこまち」の交配種である「あきたこまちR」に全量切り替えていくことを決議しました(4)。
「あきたこまち」は秋田県のお米の7割を超す主力品種です。それが放射線育種米になってしまうことになります。秋田県だけではありません。
兵庫県も「コシヒカリ環1号」への全量切り替えを決める方向といいます。コシヒカリは兵庫県の主力品種ですので、秋田県も兵庫県も産地のお米のほとんどが放射線米になってしまうことになります。
大きな問題はこうしたお米には放射線に関して何も表示されない、ということです。使われた農薬は表示が義務付けられますが、遺伝子操作は義務付けられておらず、どの品種が放射線育種米か、表示されません。
どの品種が放射線育種されているかを知らなければそのまま生産者の方も栽培してしまいかねません。そして、流通に乗る時は「コシヒカリ」「あきたこまち」としか表示されませんので、消費者はまったく知る術がない、ということになります。
これまでにも放射線育種米は作られてきました。酒米でもその割合は少なくないというのが現実です。しかし、その割合は限られていて、人びとがふだん食べるお米が放射線育種米になろうという今回の動きはまったく質を異にしたものです。
放射線照射によって「コシヒカリ環1号」はカドミウムだけでなく、稲の成長に必要なマンガンも吸収しにくくなり、そのためごま葉枯病が生まれやすいことがわかっています。
マンガン以外の微量ミネラルなども不足している可能性もあると思いますし、そのために収量も通常のコシヒカリよりも低くなりがちです。
ミネラル不足の米では子どもたちの発育も心配になります。1つの遺伝子は多くの機能を持つことが多く、1つの遺伝子の機能が損なわれればその影響は多方面に及ぶ可能性があります。
また、放射線の使用は有機農業では基本的に認められていません。ですので、放射線育種でない種籾が手に入らなければ、その品種の有機農業はもう不可能になってしまいます。
育種まで含めて禁止しているのはEUくらいですが、そもそも日本以外では放射線育種が盛んではないから問題にならず、規定されていないのが現実ではないでしょうか?
お米の種籾の元になる原種の生産は地方自治体が担っています。その自治体が種籾を放射線育種米にすると決定した場合、そうでないお米を作りたいと思っても、作れなくなってしまいます。
放射線育種した品種の全リストを農水省に情報公開請求をしました。答えはなんと「不存在」。放射線育種の有無は関知しない、とのこと。ということは農家がその種籾が放射線育種かどうか知る術を農水省は提供しないということです。 しかし、品種登録の際に、どのように育種したかの情報はあるはずだ、として、その情報公開を改めて求めているところです。公開され次第、公表します。
しかし、農水省はこれでどうやって有機農業を2050年までに25%にする、というのでしょうか? あまりに矛盾した姿勢にはあきれる他ありません。もし、日本の有機認証に、放射線育種を認めてしまうのであれば、何のための有機認証ということになります。世界からも日本の有機はダメだということになってしまうでしょう。
カドミウム汚染やヒ素汚染も深刻な問題です。実はカドミウム汚染対策は長年取り組まれてきており、成果もあげてきています。しかし、今回の計画はカドミウム汚染の低い地域含めて、全国でこの放射線育種米の利用を進めるというのです。いったい、何のため?
低タンパクのお米でないと食べられないという人にとっては放射線育種による品種も必要かもしれませんし、それまで否定するものではありません。しかし、必要な人が選択して食べる、というのと不必要な人が選択も与えられず食べるしかなくされること、知らされもせずに作る/食べるしかないというのは決して同じことではありません。それは私たちの食の決定権を否定する以外の何ものでもありません。
遺伝子を破壊する技術としては「ゲノム編集」があるのになぜ今、放射線育種なのでしょうか? 推進する側としては「ゲノム編集」米では市民は不安を感じるので、まだ市場に拡げられない、しかし、放射線育種は実は1960年代から行われている(実際に酒米などではかなり放射線育種のお米が使われている)。だから放射線育種米にしておけば市場に拡げる上では問題ないということでしょう。
でも、果たしてどれだけの人が放射線育種品種のことを知っているでしょうか? 私たちは放射線で突然変異した食品を食べてもいい、といつ同意したでしょう? 誰も知らないのが現実ではないでしょうか?
またこの遺伝子操作は放射線でやるよりも「ゲノム編集」でやった方が効率がいい、ということで、いずれ「ゲノム編集」に取って代わられる可能性が高いと思います。その点、放射線育種問題は「ゲノム編集」とセットで考える必要があります。
この問題はまだまだ先があります。しかし、長くなりますので、今後、分けて出していきます。秋田県や兵庫県での切り替えは2025年からとのことで、まだ時間はあります。しかし、種籾の生産には少なくとも3年かかりますので、その原原種生産はすでに始まっていると考えられます。どう放射線育種米の広がりを抑えるか、どう放射線育種でないお米を守るか、どう選択する権利を守るか、この問題について早急に全国で動く必要があります。
お住まいの地方自治体でそんな動きがされていないか、調べませんか? 秋田県や兵庫県だけでなく、石川県はいち早く、コシヒカリ環1号の採用を決め、山口県、島根県、福島県などでも栽培試験はすでに行われています。
OKシードプロジェクトでも放射線育種の問題を考えるためのサポーター学習会を5月9日に開催する予定です。詳細は近日中にお知らせします。OKシードプロジェクトの学習会、サポーター登録は無料ですので、まだサポーター登録されていない方はぜひサポーター登録をお願いいたします。
この問題にぜひ、注目いただけますようお願いいたします。
OKシードプロジェクト、サポーター登録
https://okseed.jp/supportus.html
(1) 日本での放射線品種改良の実用化例
https://criepi.denken.or.jp/jp/rsc/knowledge/databook/nougyou_2_3.html
(2) 突然変異と新しい品種
https://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2003/siryo23/siryo-p.pdf#page=13
Q10とその答えに注目
「Q10 ガンマーフィールドは世界でもあまり例がないと聞きますが、なぜ日本にだけあるのでしょうか。これからも必要なのでしょうか?
A アメリカにもガンマーフィールドがありましたが、生物の放射線影響を調べる軍事目的を達成すると廃止されました。また、他の国にも存在しましたが、存続が困難になったようです。
一方、日本でのガンマーフィールドは農作物改良用の専用施設として長期的展望に立ってつくられました。
旧農林省と科学技術庁(現文部科学省)の協力により、国の方針である原子力基本計画に位置づけられ、今日まで重要な任務を果たし、大きな成果をあげています。今後も、画期的な品種育成など、農業の発展に貢献することが期待されています。」
(3) カドミウムを吸収しないイネの開発と実用化に向けた挑戦(PDF)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fertilizerscience/44/44/44_77/_pdf
カドミウムをほとんど含まない水稲品種 「コシヒカリ環1号」
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/techdoc/press/140130/
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/188/mgzn18804_6.pdf
先端ゲノム育種によるカドミウム低吸収性イネ品種の早期拡大と対応する土壌管理技術の確立
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/innovation/files/kaihatsu3_04.pdf
(4)「あきたこまちR」、秋田県の奨励品種に カドミウム吸収抑制、農家の負担軽減へ
https://www.sakigake.jp/news/article/20230225AK0016/
参考:
放射線照射による人為的な遺伝子操作をどう考える?
http://axis-organic.com/essei/post-51.php