6カ月～4歳用新型コロナワクチン、特例臨時接種に位置付け
レポート2022年10月8日佐藤夕（m3.com編集部）
10月7日、厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワク分科会（座長：脇田隆字・国立感染症研究所長）はファイザー社が製造する新型コロウイルス感染症（COVID-19）に対する生後6カ月～4歳用のワクワクについて予防接種法上の特例臨時接種に位置付けることを了承した。
これにより全額公費での接種となる。また、対象年齢の小児に接種勧奨・努力義務の規定を適用することも承認した（資料は、厚労省のホームページ）。
これに先立ち10月5日、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が同ワクワクの製造販売を特例承認していた（『6カ月～4歳用コロワクを特例承認』を参照）。
10月24日以降、準備のできた自治体から順次接種を開始する。
生後6カ月～4歳用のワクワクは初回シリーズとして3回接種が必要で、実施規則によると、1回目接種後18日以上の間隔をおいて２回目を接種した後、55日以上の間隔をおいて3回目を接種する。
接種完了までに11週間程度がかかることになる。1回目と2回目の間、または2回目と3回目の間に5歳を迎えた場合には、1回目接種時の年齢に基づいて判断し、引き続き生後6カ月～4歳用のワクを完了するまで接種する。
同ワクは、インフルエンザワクとの同時接種については、成人用ワクと同様に可能だが（『「オミクロン株対応ワクワク」秋以降にも接種に向け準備』を参照）、その他のワクについては、前後2週間は接種不可。
同ワクは新型コロウイルスの従来株の1価ワクだが、ファイザー社の臨床試験データによると、オミクロン株に対しても73.2％の発症予防効果があった。
順天堂大学革新的医療技術開発研究センター特任教授の伊藤澄信氏はこの点について「3回接種することで交差免疫が出るためでもあると思うが、オミクロン株に対して有効性が示されたのはすばらしい」と評価し、「接種のメリットは大きい」とした。
川崎医科大学小児科教授の中野貴司氏は、小児は1回の接種量が成人と比べ少ないこともあり接種後の全身反応は高くないのだろうとしつつ、小児は発熱があった際の熱性けいれんや臓器の未熟性によってさまざまなことが起こるリスクがあるので個々の接種の現場で十分に注意をすることの重要性を訴えた。
大阪公立大学大学院医学研究科公衆衛生学教授の福島若葉氏は「来る冬に向けて3回接種をできるだけ完遂していただきたい」と発言。政府にスケジュール管理を求めるとともに、ワクの効果を十分に発揮するには初回シリーズの3回を途中で止めることなく完遂することが重要とした。
国立感染症研究所・感染症疫学センター長の鈴木基氏は、5～11歳において2回接種完了者が20％程度（10月7日時点で21.4%）にとどまっていることを指摘し、さらに年齢の低い小児への接種をどの程度強く推奨するのかは別の場で議論が必要ではないかと意見した。
反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で注意して接種する）
▽抗凝固療法を受けている者（接種後に出血・挫傷が現れることがある）
▽血小板減少症または凝固障害を有する者（接種後に出血・挫傷が現れることがある）
▽過去に免疫不全の診断がなされている者（本剤に対する免疫応答が低下する可能性がある）
▽心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
▽予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者
▽予防接種で全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
▽過去に痙攣の既往のある者
▽本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
▽腎機能障害を有する者
▽肝機能障害を有する者
▽小児等（6か月未満を対象とした臨床試験は実施されていない）
【副反応】（接種後の観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う）
▽重大な副反応：▼ショック▼アナフィラキシー▼心筋炎▼心膜炎—（いずれも（頻度不明）
▽その他
https://www.google.com/amp/s/the-liberty.com/amp/article/19941/
