経営の神様、稲盛和夫氏があの世に旅立たれました。牛丼を愛し、JALを立て直した男の生涯。 | 心と体を健康にするダイエット法

心と体を健康にするダイエット法

新型コロナ時代に免疫力を上げて健康に生きてゆきたい。そんな中高年のダイエットは健康法と美容法とアンチエイジングを兼ねた方法が必須です。過食と体調不良を改善してウイズコロナ時代に楽しく続けることのできるダイエット法を提案しています。

いつもありがとうございます。

ハッピーダイエットライフの船田です。

 

京セラを創業し、KDDIを立ち上げ、

日本航空を再建して、日本に貢献した経営の神様、

 

稲盛和夫氏がお亡くなりになりました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

この方が経営の神様と言われるゆえんは、

やはり私には神様を信じており、信仰心があったことです。

 

これは松下幸之助氏にも通じることがありますが、

やはりどんなに優秀でも神様を信じていない人は偽物です。

 

特に経営者は神様を信じていないと、

傲慢になり、謙虚さを失い、自分中心の発想をするからです。

 

稲盛和夫氏の言葉。

 

稲盛和夫一日一言(致知出版社):

「われわれは状況の奴隷であってはならない」「正道を貫くことが一番楽なのです」「誰一人、何一つ偶然に生をうけたものはなく。したがってムダなものはこの世には一切ありません」 

 

稲盛和夫氏:

「私の人生を振り返ってみてもそうですが、謙虚さを維持してきたことが、今日の私をつくっている。努力家で、一生懸命努力をして成功される方、有名になられる方、そういう方が往々にして、謙虚さを失ったがために没落をしていかれるケースを見ていますが、どんな状態になろうとも、謙虚さは大事なことだと思います」

 

 

 

 

 

 

 

「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫氏の訃報が流れた。稲盛氏の経営塾で学んだ経営者は数多く、また多くのビジネスパーソンにとって教訓となる同氏の経営哲学には事欠かない。そこで今回は、重要な接待の場面で吉野家の牛丼を選ぶという、凡人には計り知れない「稲盛哲学」の神髄をご紹介したい。(イトモス研究所所長 小倉健一)

● 「経営の神様」と呼ばれた 稲盛和夫氏の帝王学とは?

 人の上に立つとは、どんなカリスマ性が必要なのか。リーダーとは何か。リーダーはいかにあるべきか。

 稲盛和夫氏がビジネス人生において考え抜いてきたこと、悩み抜いたことが「帝王学」であろう。

 国際教育評論家・村田学氏の言葉を借りれば「帝王学とは、伝統のある家系・家柄などにおいて、特別な立場にある人が、その立場にふさわしい能力を養うために学ぶ全人格的な教育」のことである。今回は、「経営の神様」ともいわれ、戦後を代表する経営者・稲盛和夫氏の「帝王学」について述べたい。

 稲盛和夫氏と食事をしたことのある人物は、皆驚く。信じられないぐらいに庶民的なお店ばかりを選ぶからだ。私は、経済誌「プレジデント」の編集部員・編集長として、稲盛和夫氏に何度もインタビューし、また周辺への取材を繰り返すうちに、億万長者でもある稲盛氏がこんな店に入っているのかと驚いていた。

 経営破綻した当時の日本航空の会長に就任したとき、宿泊するホテルでコンビニのおにぎりが稲盛氏の晩ご飯だったときがある。そのときは、「忙しいし、疲れてどこへも行きたくないのだろうな」ぐらいにしか思っていなかった。

 しかし、当時の日本航空の広報だった門間鉄也さんから聞いた話では「社内でのお昼ご飯もマクドナルドや吉野家の牛丼を希望していたし、本人の口からも粗食を愛しているような話があった」そうだ。さらには「そんな経緯もあって、ある日の稲盛さんが登壇したフォーラムの帰り、お腹が空いて何か食べようかとお話をされたので、勇気を絞って有楽町のガード下のもつ焼きにお連れしたことがあった。稲盛さんは、その、お世辞にもきれいとは言えない店を本当に喜んでいてびっくりした」という。

 東京・有楽町のガード下のお店に行ったことがない人もいるだろうが、私だったら相当酔っていないと入らないであろうお店ばかりだ。どうしてなのかはあまり明記することがはばかられるので、ぜひご自身で行ってみてほしい。「こんなお店で稲盛さんは喜んでいたのか!」と日本航空の広報でなくてもびっくりするはずだ。

● 稲盛氏は重要な接待の場所として 「吉野家有楽町店」を選んだ

 稲盛氏の有名なエピソードに、吉野家の店舗ごとにおける味の違いが分かるというものがある。稲盛氏の持論は、有楽町店などの吉野家は頻繁にお客が訪れるため、牛丼を煮込みすぎたりすることもなく、品質が安定して良いというものだ。

 これは心底そう考えていたようで、重要な接待の場所として吉野家有楽町店が選ばれていた。サッカー元日本代表のラモス瑠偉氏への重大な接待にもだ。

 稲盛氏が創業し、日本を代表する企業になった京セラ。同社は94年からプロサッカーチーム「京都パープルサンガ(現・京都サンガF.C.)の支援をしている。

 Jリーグの下のカテゴリー、日本フットボールリーグ(JFL)で1995年に2位となり、96年にJリーグ(当時は1部制)へ初昇格したサンガ。しかし、初参戦のJリーグでは17連敗を喫するなど低迷していた。

 そこで、どん底をさまよい続けるサンガは、稲盛氏の強力なバックアップの下、サッカー元日本代表・ラモス瑠偉氏を招くなど続々とスター選手を獲得してテコ入れを続けた。スポーツ紙「デイリースポーツ」が指摘した、「稲盛さんは京都の成長に欠かせない人物だった」というのは、まさにその通りだった。

 そのラモス氏への接待場所として稲盛氏が選んだのが、有楽町の吉野家だったのだ。そのときの様子を、同席した坂本孝氏(当時、俺の株式会社社長)はこう振り返っている。
「あるとき、稲盛さんがサッカー選手のラモス(瑠偉)さんを食事に誘ったのですが、訪れたのは牛丼の吉野家だった。最初はそれぞれ『並・ツユだく』を食べ、その後『牛皿』1皿を追加して2人で食べた。一つずつ食べていくと最後の一切れが残る。稲盛さんは「どうぞどうぞ、お食べください」と勧めるわけです。そこまで言われたら、相手は食べますよ。残った一切れを自分にくれたことに恐縮しながら」

 「これ、凄いでしょ。当時、『並』は380円、『牛皿』が120円だったと思いますが、このコストで相手に『自分のために大切な時間をつくってくれた』という印象が残るんです。別の機会に京都府知事を招いたのも、吉野家だったそうです。僕なんかがやったら蹴飛ばされそうだけど、稲盛さんがやるとサマになりますね」(プレジデント2014年7月14号『稲盛和夫のお金の教室』)。

● 稲盛氏が塾生におごったのは アイスや焼き鳥、カレーライス

 他にも、稲盛氏の帝王学についてはさまざまな証言がある。稲盛氏が始めた経営塾「盛和塾」の神奈川県の分会として設立された盛和塾横浜(現フィロソフィ経営実践塾)で会計担当事務局を務めたことがあり、塾長の稲盛和夫さんから直接薫陶を受けたことのある税理士の伊藤正孝さんはこう証言している。

 「上に立つ者は『自分を惚れされる』ことが大切です。その方法の一つが、おごるということなのです。しかし、値段が高いものである必要はありません。稲盛塾長におごってもらった塾生は数多くいます。しかし、アイスクリームだったり、焼き鳥だったり、数百円で買えるようなものがほとんどでした。自分の会社の業績を立て直した塾生が稲盛塾長から『よくやった。褒美に昼食をおごってあげよう』と言われて、目の前に出てきたのがカレーライスだったということもあります。でも塾生は稲盛塾長と同じ釜の飯を食べることで、物心両面の幸せを感じ、さらに頑張ろうという気持ちを強くします」(プレジデント20年9月18日号『稲盛和夫名言録』)

 数百円のおごり。自分が大して尊敬していない上司がこんなことをしたら、あなたは「あいつはドケチだ」と怒り狂うことだろう。稲盛氏がやるとドケチにならないのは、全人格をかけて贅沢を嫌っているからだ。お金が惜しいわけではなく、莫大なお金をポーンと財団に寄付する。その一方で、ラモス氏相手であっても吉野家でいいと考えるから、美しいのだ。
 稲盛氏が愚直に実践してきた 「経営の神様」たるゆえん

 「経営の神様」と稲盛氏が呼ばれるのは、きっとこういう普通の人間ではできない所作を、愚直に実践してきたからだ。

 ビジネスの場に身を置いていると、自分の身を守りたいばかりに、周囲を無視したわがままに走ってしまう人は多い。人より能力があると思われたいし、出世もしたくなる。しかし、周囲からの評価なしで営業の数字を上げたところで、組織にヒビが入っていくだけだ。

 営業の数字、売り上げを上げることは、もはやリーダーとしての最低条件でしかない。数字をきちんと作った上で、「こいつのためなら、命懸けになれる」とまでいわせるカリスマ性がなくてはならない。

 そのカリスマ性はどうやって生まれるかと言えば、周りの人のことを第一に考え、世の中に何が必要で、何をなすべきかをとことん考えることだと、稲盛哲学は教える。だからこそ、人の上に立つ者は、全人格を磨かなくてはならないのだ。

 もうけるだけではダメ、贅沢を目的にしてはダメ。人格で相手と勝負できるのか。吉野家の逸話から導き出される稲盛氏の帝王学とは、稲盛氏が死してなお、燦然と輝きを放つことだろう。

 最後になるが、稲盛氏のご冥福を心からお祈りする。

小倉健一

関連記事