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東京五輪が8日閉幕した。新国立競技場で行われた閉会式では、選手の入場後、大量の光の粒が降り注ぎフィールド上に五輪マークが浮かび上がるという演出があった。
これはリアルに現場で見れらる“光のショー”ではなく、テレビ用のCG映像。
それでもネット上では「どうなっている?」と話題となった。閉会式は続いて「東京スカパラダイスオーケストラ」の演奏で、様々なパフォーマーが登場して、ダンスやけん玉、ダブルダッチなどのパフォーマンスを披露した。これは「多様性と調和」を示す東京の街の「カオス」を表現したという。
その後、ダンサーのアオイヤマダさんの鎮魂の舞い、東京音頭などが行われ、五輪旗が小池都知事から3年後の五輪開催地パリのイダルゴ市長に引き継がれた。
パリ五輪の紹介の演出は、会場では行われずにビデオ映像。エッフェル塔広場に大勢の人たちが集まり、柔道の混合団体で金メダルを獲得した国民的スター、リネールら今大会のメダリストが祝福を受けているシーンが映し出された。
半数以上の観衆はマスクをしていたが、していない人もいて、しかも超密状態。無観客の東京五輪とは、あまりに対照的な映像だった。
続いて橋本聖子組織委員会会長、IOCのトーマス・バッハ会長の約7分間の長い挨拶が始まると退場する選手が続出した。最後は、女優、大竹しのぶさんが子供たちと一緒に登場。大竹さん演じる先生が子供たちに宮沢賢治作曲作詞の「星めぐりの歌」を教える体で合唱し美声を響かせた。
ただ閉会式に関してのネット評価は「つまらん」という声が多かった。ヤフーのアンケート「東京オリンピック閉会式、あなたの満足度は10点満点で何点?」では、午前8時現在で、約54000人が投票し、10点が18.2%、0点が最も多い37.7%だった。
また五輪閉会式で恒例の国民的な人気歌手の“ショー”などが行われなかったことに対しての不満の声も聞かれた。一方で意外にも海外メディアの反応は好意的だった。
五輪マーク“光のショー”「どうやって作ったの?」
豪州のABCニュースは「五輪閉会式のハイライト。東京2020の閉会から5つの最高の瞬間」との見出しで、閉会式のハイライトを5つ紹介した。
1つ目は、オーストラリア選手団の様子を伝え、2つ目は、五輪マークを作った光のショーに「どうやってこれを作ったの」と注目。「開会式でも驚かされたが、また新たな驚きがあった。
小さな照明の球の集まりがアスリートとパフォーマーたちの上を動き、空中に五輪の輪のイメージを作り出すために動き回り、驚くべき照明のディスプレイが完成した」と紹介した。
3つ目は、無観客で行われた閉会式の中で男女のマラソン競技のメダル表彰式が行われたことについて触れ、4つ目に「佐藤健作氏による日本の和太鼓演奏やアオイヤマダ氏によるソロダンス」をピックアップ。
「閉会式の記憶の瞬間として完璧に彩られた。式典のこの部では、日本中の伝統的な複数の踊りを通して、アスリートたちが加わった東京音頭で締めくくられた」とした。
最後にバッハ会長の酷評のスピーチを「力強い言葉」と称え、「五輪大会の開催がほぼできなくなるような状況が何度もありながらも、多くの懸命な尽力によって実現できたことを我々に思い出させた」と評価した。
NBCニュースは、「テンポ早くきっちりと用意された閉会式が東京時間午後8時に始まり、開会式と同じく、それはスポーツと日本のお祝いだった」と紹介。「閉会式はアスリートたちがフィールドを去るなか巨大スクリーンに示された『Thank you』を日本語で意味する『arigato』の文字で締めくくられた」と続けた。
また同メディアも次のパリ五輪の紹介ビデオに触れ「フランスの首都ではパリ2024への夏季五輪の引継ぎを祝うために観客が集まり、青、白、赤の3色の煙を放つ戦闘機が上空を急スピードで飛ぶ間に、エッフェル塔の下でダンスや祝う様子が見られた」と紹介した。
ワシントンポスト紙は、「大混乱、不確実性、異常、そして競技での輝かしい瞬間のすべての終わりに大会は、日曜日、開会と同じく音楽やアスリートとボランティアたちの拍手や歓声が鳴り響く音だけのほぼ空席のスタジアムで閉会された」と伝えた。
スカパラの演奏で東京の公園の様子を表した演出について「アスリートたちがまるで東京の公園にいるような感じになるように、組織委員会は、スタジアムの中央を芝生で整えた。この動きは五輪参加者たちが新型コロナの規制のために街への外出ができなかったことを受け入れてのものだった」と紹介。「縄跳びやヨガといったパフォーマンスはアスリートたちに伝えたかった首都の実生活の一端で公園にいる感覚を再現していた」と続けた。
同紙は東京五輪についても総括。
「2週間にわたってスポーツの熱と友情を示す素晴らしい瞬間があったにもかかわらず、五輪大会は東京や周辺地域で新型コロナの感染が急速に広がったことで影も投げかけた」と指摘した。
そして「五輪に関する世論調査結果は、先週の段階では反対意見は下がり始めていた(主催国の金メダルの獲得が助けとなったかもしれない)。だが、世論の多数は依然として五輪に反対で東京での感染者数が記録的に増加すると、その不満は高まりを見せた。
閉会式のあった日曜、新国立競技場の外では、その入り混じった国民感情が象徴的に示されていた。閉会式が始まる1時間前、市民は音楽を聞き、花火を見るためにフェンスや警察にふさがれた無観客の会場になるべく近い通りに並んだ。一方で、抗議者たちは近くで五輪反対のデモを繰り返した」というレポートを掲載した。
閉会式の評価うんぬんを議論するよりも、閉会式が行われた新国立競技場の外に東京五輪の真実があったのかもしれない。