いとしいあなたへ
さんまやいわしなど青魚に豊富に含まれるオメガ3エイコサペンタエン酸（EPA）は、女性看護労働者を対象とした研究で幸福と充実感に関連していることが明らかになりました。
この研究は、金沢大学医薬保健学域の坪井宏仁氏らが行ったもので、詳細は「Nutrients」に11月11日掲載されました。
オメガ3脂肪酸には心臓血管系の保護する作用があることが知られていますが、メンタルヘルス上のメリットも指摘されています。
ただし、ほとんどの研究では、2つのよく知られているオメガ3脂肪酸であるエイコサペンタエン酸（EPA）とドコサヘキサエン酸（DHA）の機能の違いは考慮されていません。
EPAの血中濃度はDHAよりも低く、脳を構成する脂質はほとんどがDHAとアラキドン酸ですが、神経系への影響はDHAよりも強い可能性が基礎研究から示されています。
そこで坪井氏らは、両者を区別したうえで、主観的幸福感や、やり甲斐との関連を検討したのです。
研究の対象は、
静岡県の病院と2つの介護福祉施設から募集した140人の女性看護師と介護福祉士を対象に横断研究を行いました。精神病性障害と診断された参加者はいませんでしたし、全員が定期的に働いていました。参加者の平均年齢は45.7歳でした。
データは、2009年8月に4日間にわたって実施された参加者の年次健康診断時に収集されました。自己記入式の質問票が参加者に事前に配布され、検査の1日前に記入されました。
質問票には、人口統計学的測定（年齢、現在の健康状態、投薬、月経など）に関する質問が含まれていました。
喫煙状況（非喫煙者または元喫煙者と現在の喫煙者）などのライフスタイル特性。
アルコール消費量（ほとんどないvs.週に1回以上）; 朝食を食べる（毎日対時々または決して）; 間食の習慣（頻繁に食べるか、それほど頻繁に食べないか）; 余暇の身体活動（月に1回対週に1回以上）; と心理的対策。
[主観的幸福の尺度（SHS）の日本語版を使用して、参加者の主観的幸福のレベルを評価した。
満足感は、「まったくない」（0）から「非常に強い」までの長さ10cmの水平な非較正線からなる視覚的アナログ尺度（VAS）を使用して、質問票でも評価されました ]。
参加者は、「趣味や仕事など、日常生活でやりがいのあることや充実したことはありますか？」などの質問に答えてもらいました。
その結果、
DHAとEPAは、幸福感ややり甲斐と有意な正の相関が認められました。
一方、
ALAは幸福感との相関はなく、やり甲斐とは有意な負の相関が認められました。
幸福感に対する相関係数は、DHAがｒ＝0.20、EPAがｒ＝0.27であり、EPAの方が相関が強かったのです。
次に、
幸福感を従属変数とする回帰分析を施行しました。
すると、
EPAとの相関はβ＝0.25（P＝0.03）で引き続き有意だったのですが、DHAはβ＝0.13（P＝0.19）となり、有意性が消失しました。また、月経のある参加者は閉経後の人よりも、幸福感が高かったのです。
本研究ではEPAとDHAとでは幸福感との関連に差が存在することが示されました。
このような差が生じる背景について、著者らは、中枢神経系における両者の作用機序の違いを述べています。
EPAの代謝物は、幸福感を高めるカンナビノイド受容体への親和性がDHA代謝物より圧倒的に高いこと、また神経機能を阻害する炎症に関わる接着分子（VCAM-1やICAM-1）の働きを低下させる機能が影響しているのではないかと考察しています。
横断研究であるために因果関係は不明なものの、「EPAがわれわれの幸福感の維持に多少なりともメリットがあるかもしれない」と、今後の研究に期待を示しています。
これからの研究で、さらに解明されることでしょうが、オメガ3脂肪酸は認知症や血管の若さを保つなどにも効果があるなど、メリットだらけ。
逆に摂らないことのデメリットやリスクは大きいのです。
ですので、食べて幸せになるかどうかという点に関わらず積極的に摂りたい脂肪であることは間違いないですね！
そしてサプリメントではなく魚から摂りたいものです。
あなたがいつも健康で幸せでありますように！
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