ドイツ語学校終わりに、カフェで、くつろいでました。
19時くらいかな。
私の周りには、誰も座っていないカフェで、
小さな男の子がまっすぐ、私に向かって歩いて来る。
見たところ、小学校1年生くらいかな。
間違いなく私のほうに向かって来る。
見たところ、なんだか服がボロボロ…
肌が少し黒いけど、汚れているからな気もする。
そして、その少年は私の目の前で止まり、
握りしめていた左手を、ゆっくりと開いて見せた。
その小さな手の中には、2フランコインが2枚あった…
そして、か細い声で、少し上目づかいで、言った。
「 お金、ください。 」
その一時間後、カフェを出たんですが、
その少年と、母親と思われる女性がいました。
この少年が私の方へと来た時と、母親を見た時に思ったこと。
” 親が子供に、何させてんねん ” と。
しかし、この、金の無心。
これは、ほんとによく見られる光景の一つ。
ときに親は、子供を使って、お金を得ようとする。
今年の春、ヨーロッパを旅行した時も、
プラスチックのコップを持ち、頭をもたげ、さまよい歩く老人は、
フランス・スペイン・イタリア、どこにでもいた。
1年前に訪れたメキシコでは、直視できないほどのものを見た。
すべての根底にあるのは、貧困問題。
日本にも貧困はあるけれど、
日本は、野たれ死にをさせてくれない国。
けれど、海外は違う。
国の保証で守られるべき障害のある人、
医療を必要としている人、
学校に行っているはずの、幼い子供。
こういう人たちが、普通に、悪臭を放つ汚い駅で、
寝るしかなかったり、また、物乞いをしている。
ぬくぬくと日本で育った私は、
初めて貧困問題を直視したとき、鳥肌がたった。
とても、怖く感じたのを覚えている。
どこに行っても、貧困はある。
他の国ほどじゃないけど、スイスにも、ある。
昔、人生ゲームをしたことがある。
数ある選択肢の中から、手にしたお金でやることを選ぶ。
私が選んだのは、
” 様々な組織にお金を融通する、基金の設立 ” だった。
明日は少しでも、この世界がよくなっていますように。
これを、七夕の願いにしようと思う。
とある日の晴れた、チューリッヒ中央駅の近く。

スイスの国旗が、風に揺れています。