世界規模のパンデミック…変異し、襲いかかるコロナ…そして例外なくうちの職場にもその毒牙が襲いかかる。
「酒の部署でコロナ陽性者が1人出ました。週1回しか出勤してない人なので濃厚接触者の人だけPCR検査をしてます。
加食の部署は全員濃厚接触者に当たりませんので皆さんのPCR検査はありません。ただ、作業時には常にマスク着用と手洗いうがいを引き続きお願いします。」
大主任はいつになく緊張した面持ちで朝礼をした。
「この間はお菓子の部署のパートさんの旦那って言ってたけどとうとうこの会社でも出たか」
「こうなったら誰がいつかかるかわかったもんじゃないわね。」
おばちゃん達は口々にそう言って各々持ち場に向かう。
数日後
「うちの会社ではコロナのワクチンを接種したら接種したその日と次の日休むようになっています。なるだけ被らないようにしたいので日程が決まった方は俺に言って下さい。」
「じゃあ日曜は会社休みだから土曜にした方が良い?」
「そうして貰えたらありがたいです。ただ、予約が中々取れないから無理せんで予約取るのを優先して下さい。俺もいつ取れるかわからんから平日2日休むかもしれません。」
おばちゃんの質問に大主任は複雑な表情でそう答える。
私も出来るだけ土曜日にしないとな…。
そう思って予約受付開始を経ていざ予約しようとするが…
「えっ?8月はどこも空いてないの??」
まだ7月下旬にも関わらず8月は集団接種会場も予約できない状態。
仕方なく9月頭の土曜日に近所の病院で1回目の予約を入れた。
しかし…
「1回目決めたら、2回目も決めろってなってるのに予約出来ない…。てかこの病院遠いわ」
2回目を同時に予約しようとすると予約が埋まっていて予約が出来ない。
予約出来る病院があっても物凄く遠い場所ばかり。
SNSで調べると随時チェックをすると空きが出てくる場合があるとあったから暇な時にちょいちょい見よう。
翌日
「大主任、ワクチン接種の日にちが決まりました。」
「おお、いつ?」
「9月×日の土曜日です。」
「おお〜助かるわ〜ありがとうね。2回目は?まだ決まってない??」
「はい。まだ決まってません。全然予約取れなくて…」
「あははは、65歳までの人達は余裕やったけど、俺らからどんどん予約取れんくなってきたからな。高原さん達は尚更やろな。」
「はい。常にチェックはしてますけど中々…。」
「ま、ワクチン打ったらコロナにならん訳やないし、今年中に受けれたらいい位に思って気楽に待っとったらええよ。」
「そうですね。とりあえず1回目決まっただけでもラッキーです。」
「せや。2回目は土曜日に拘らんと取れる時に取ってええからな」
「はい。そうさせて貰います。大主任も取れると良いですね。」
「おう。ありがとうね。」
ワクチンの予約取れない不安が一気に吹っ飛んだ!!さすが大主任!!