宇宙怪獣対策委員会

お話の質、読みやすさを向上させるために常に話の内容やレイアウトは変更します。

そのためにストーリーが変わったりすることがありますのでご了承ください。



第一話 「宇宙怪獣」

第二話 「海王星」  
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第三話 「あの日の約束」

なぜ海王星が?しかしこれが海王星とは限らない。とはいえ惑星がワープアウトしてくる時点で意味不明だ。

      タキオン    「オエェェェ」
なにか解るかもしれないのでなんとなくのどちんこを触ってみるが、出てくるのは胃液と吐き気だけ。


      副官      「当たり前だー!!何してんですか!艦長!!」
      タキオン    「なら君はどうしろというんだ!」
      副官「だからってのどチンコ触ってどうするんですか!」
      トルネード   「ヒャッホーゥ」


と言いつつうどんで作ったロープで投げ縄をしているトルネード。
      副官      「ちょっと!何するんですか!」
      トルネード   「むむ!貴様!俺の投げ縄をいともたやすくちぎるとわ!さては貴様も宇宙怪獣か!」
      副官      「どうしたんですか!ホントに!なんかおかしなものでも食べたんですか!?あんたら!」
      タキオン    「食べたのはヒヨコサブレだ。」
      副官      「ヒヨコ・・・?」
      タキオン    「いいから起きろ。」
      副官      「え?起きてますよ!それよりヒヨコってなんですか!?」
      オペレーターA「浣腸でもすりゃ起きるんじゃないですか?」
      トルネード   「誰がそれをするんだ。」



      副官      「はわわわ!!浣腸はやめて!てかひよこってなんなのさ!」
      タキオン    「やっと起きたな。」
      トルネード   「ヒヨコって何だ?」
      副官      「はわわ・・・夢だったか・・・。」
      オペレーターB「よっぽど怖い夢を見たんですね。」
      タキオン    「ひょっとしたら私達が死ぬ夢でも見たんですか?」
      副官      「ふぅ・・・大体そんな感じのないようです。」
      トルネード   「なんて情けない副長だ。」
      タキオン    「しかたないさ。早く持ち場に戻ってくれ。」


仕方ないって言うのはどういう意味だろうか・・・そう考えながら自分の持ち場に戻る副長。
      副官      「あ、そういえばあの海王星は?」
      オペレーターB「あれなら宇宙怪獣たちを連れてどこかへ行きました。」
      副官      「そうか・・・じゃ助かったんだな。」
      トルネード   「本当にそう思うか?」
      副官      「どういう意味・・・ですか?」

      タキオン    「俺たちは助けられたんじゃなく・・・見逃されたんだと思うんだ。」

タキオンが言いたいことはなんとなく分かる。過去にセントサイモン教導団が作った最強の生体機動兵器が海王星に寄生し、太陽系を破滅の危機に追い込んだことがあった。

なんとかその脅威から免れた人類だったが、それが再びここにあるということは、ここが地球から10万光年離れた場所であろうと、間違いなく地球を目指すことは火を見るより明らかだ。


      タキオン    「そこでお前にその検証をしてもらおうと思ってな。」

      副官      「了解しました。」

しかし不可解なのは、なぜ海王星はがキーストン部隊を見逃したのか。そして宇宙怪獣と協力しているのか。

宇宙怪獣に戦略級の知能が備わっていることは既に検証済みではあるが、人が作ったものを利用しようとするのはいくらなんでも考えられない。

単体では突撃しか頭にない生き物が・・・だ。

しかし、それは認めるしかない事実なのかもしれない。いくら検証しても、アレは海王星で、目的地は・・・地球だった。


だが副官の頭の中には一つの仮説が立っていた。しかしそれは誰にっても信じてもらえるような話ではない。いや、自分だってこんな推測をしているって言うことを理解できない。

なぜこんなことを思うのだろうか。おかしくなってしまったのだろうか。

だが、実際自分に何かが起きているという自覚はある。



いつからだろうか。この船に乗ってからか?宇宙に出てからか?




・・・・・・・・・タキオンに出会ってからだろうか・・・。



第3話 「あの日の約束」 http://stmc.len.jp/  

第二話 「海王星」

その瞬間宇宙に大きな、そう、大きな光が差した。その光は宇宙怪獣を飲み込み、空間さえのみこんだ。
そして光から程遠いところからボロボロに大破した艦「キーストン」は出現した。


「ぐ・・・総員無事か!?」

激震する艦内で、タキオンは現状把握に努める。
「どうやらプラズマ化したエーテルに飲み込まれ、強制ワープさせられた模様です。」

「エンジンはどうか!」

「損傷はありますが最低限の出力は確保できています!」

「ヴェルフェゴールはどうなった?」
しかし空間を歪めるほどのエネルギーで放出されたキーストンのレーダーはすべて反応を示さない。

「どうなったのだ!!」
程なくレーダーは回復し、トルネードの期待に答えるかのようにその姿を現した。


「でました!ヴェルフェゴール健在!宇宙怪獣の数は約1800。しかしヴェルフェゴールは苦戦している模様です。」

「ツインターボだろうな・・・。ヴェルフェゴールにはつらいか・・・。」

「大変です!ツインターボ級が14体まで増えています!」

「なんだと・・・!一体でも苦しい相手だぞ・・・!」

トルネードを含め、クルーのほとんどが絶望的な現状に心の糸が切れかけている。アンドロメダから地球連合艦隊のしんがりとして戦ってきたが、確かに苦しい状況もあったが、そのつど乗り越えてきた。

しかし今回の敵は数が多すぎる。銀河方面軍第七師団に匹敵するほどの大部隊をたった一艦で戦おうなどいくらなんでも無謀以外の何者でもない。


唇を噛みながらモニターを眺めるタキオン。だがそんな状況でもただ一人、彼のその目にはまだ火がともっている。



「エンジン臨界まであとどのくらいかかる!?」

「およそ140秒です。」

「よし!6時の方向に回頭!ヴェルフェゴールに赤経 09h 25m 10s 赤緯 08° 26' 00"へ向かうよう指示を出せ!」
オペレーターの報告に意を決したタキオンは改めて指示を出す。
「艦長!一体何を!!艦を宇宙怪獣の矢面に立たせるつもりですか!?」

「いいか!荷電粒子砲エンジンもメインエンジンに接続!フルドライブで擬似特異点を作り出す!そこで奴らを迎え撃つんだ!」

「そんな無茶な!!」
ツインターボ級を振り払い、指定された座標に向かうヴェルフェゴール。その軌道上に向かい、キーストンは宇宙怪獣軍に向け、ブースターを全開させる。

「ダメです!ツインターボが来ます!」

「大丈夫だ!1.32秒差で我々の勝ちだ!」
タキオンの勝利の雄たけびと同時にキーストンの後方に黒い闇が広がり、たちまちそれは半径2キロに及ぶ球状に広がった。その空間を透過した宇宙怪獣はたちまちその体を粉砕した。
しかし、ツインターボ級6体が難を逃れたが、キーストンを素通りし、そのままヴェルフェゴールへと向かって行った。
「ちぃ!!」




その時、突然レーダーは全く反応を失った。



「おい!!どうした!!何があった?」

「え・・・これは・・・なんだ・・・?」

「まさか!?」

「どうした!?」

「これは宇宙怪獣群のワープ現象・・・連鎖特異点です!」

「まさか!増援か・・・!?」
やられた!!くそ・・・俺とした事が見誤ったか!!
タキオンは心の中で悔いたが、その様を見られぬよう他のクルーにすばやく次の指示を出した。

「まだだ!!ヴェルフェゴールを呼び戻せ!」

「無理です!ツインターボに応戦するのがやっとです!」

「諦めるな!とにかく少しでも離れろ!」
もはやキーストンに戦闘装備は残されていない。だが

「艦長・・・大変です・・・。」

「どうした!?」

「このワープホール・・・惑星1つ入る大きさです。」

     「なんだって!?」
そして遂にワープ反応範囲が徐々に光り出し、まるで日食で欠けた光が戻るかのような幻想的な光景である。

「エンディ・・・ミオン・・・」



そしてその扉から現れたのは・・・




「ま・・・まさか!!!」

「あれは・・・あの時失われたはずの・・・」

「か・・・海王星・・・だと!?」




第二話 「海王星」 http://stmc.len.jp  ここなら音楽つきで読めます。館長の過去を綴った第一章、第二章もお見逃しなく!!

第一話 「宇宙怪獣」



「左舷装甲板大破!!」

「宇宙怪獣は尚も増殖、約1800。」

「くそ!なんなんだこいつら!!どこからうじゃうじゃと!」

見る見るうちに増えた宇宙怪獣たちに取り囲まれた現状に、副官は叫んだ。

「こんな辺境をゆく艦にもお目こぼしなしとはな。それともこの艦に積んであるものがそれほど恐ろしいか。やつらは」

そんな状況にも眉ひとつ動かさず、むしろ楽しんでいるような男がいた。その装いから技術仕官のように見て取れるが、たたき上げの軍人も顔負けの貫禄がある。


宇宙怪獣の突然の襲来に騒然とするブリッジ。そこへ佐官クラスの制服を着た青年が入ってくると空気がより引き締まる様子だ。詰めた襟には大きな勲章が貼付されている。そして胸には戦艦キーストン艦長の証が見て取れる。



「状況は?」

そう聞くとオペレーターの一人が答える。



「空間の歪より突如出現した宇宙怪獣は我々を標的とし攻撃を開始、我々も光子魚雷、荷粒子砲で応戦しております。」


もう一人のオペレーターがレーダーを見たまま振り向くことなく冷静に付け足した。

「しかし目標は依然増殖中。2分前の時点で約1000、現在は2000になろうかと言うところです。」

「やはりアレの起動が相当気に食わんらしい。折角だ、出してやったらどうだ?タキオン艦長。」

艦長と呼ばれた男は腕を組み、レーダーから目を離し、宇宙怪獣群が映るモニターを見据えたまま答えた。


「今回はいつもとは様子が違う。現状維持のまま温存させましょう。この艦を落とすだけならばこれだけの数は必要ないはずです。」

     

「しかしその前に撃沈される恐れもあると思うが?」


その艦長に対して注意を促すような発言ではあるが、表情を見る限り、試すようなニュアンスが感じられる。
「そうされないために頭を使うのが私の仕事です。」

特に誇るわけでもなく、さも当たり前のように答えるタキオン。それを聞いてうれしそうに俯く。

「ふ・・・この状況でよく言えるものだ。だがアレだけは壊してくれるな。たとえこの艦を沈めてもな。」

「やつらが詰めに入った時に出撃させます。アテにさせてもらいますよ、宇宙怪獣対策本部開発局エースであるトルネード殿の渾身の力作と言う奴を。」

「私もそう願おう。」

トルネードと呼ばれた男はよほど彼を信頼しているのかこの状況でもまるで動じない。すでに艦の下弦部は原形を留めてはいない上、敵宇宙怪獣もその勢いがとどまる事を知らない。



「目標数5000を突破!」

「艦長!!キーストンはもう持ちません!!撤退の指示を!!」

たまらずタキオンに撤退を要請する副官。


「まだだ!回頭、3時の方向へ!」

     「艦長!!自沈させる気ですか!!」


「やつらとて考えなしにこんな大部隊を送ってきたわけじゃない。何かするつもりだ。この艦とて対宇宙怪獣に作られたんだ。そうそう沈まない。」

そのとき、オペレーターの一人がレーダーに映った遠くの敵影を見つけて叫んだ。

「本艦より8時の方向より秒速5千キロで接近する物体あり!!接触まであと30秒!」

「秒速五千か、ヤゼール級か?」

ヤぜール級、そう予測を立てたトルネードの発言に対してタキオンは言葉を返した。

「ヤゼールなら光速の4分の一の速度ですよ。こいつが本命か?。ヴェルフェゴール第一種戦闘待機!」

タキオンの一言を受けてオペレーターはすぐに格納庫へ通信を入れる。
「了解しました。ブリッジより格納庫。ドライバーは第一種戦闘待機。繰り返します、ドライバーは第一種戦闘待機でお願いします。」

「さて、ここからが正念場と言うところだな。」

     「ええ。だがまだ隠し玉がありそうだ。オペレーター各員はレーダーから目を離すなよ!」



そのとき、レーダーの変化を見てオペレーターが悲鳴に似た声で叫ぶ。


「艦長!!8時の方向に特異点が観測されます!!こいつらは・・・ツインターボ!それも7対です!」

「クソ!!いよいよだな!ヴェルフェゴール、緊急出撃だ!」

「しかし今出撃すれば格好の標的になる恐れがあります!」

「構わない!エーテルドライブで出撃させろ!今すぐだ!」

「そんな事をすれば艦が宇宙の塵になってしまいますよ!!」

「そのためのニュートリノキャンセラーだろ!やつらはヴェルフェゴールを狙う。この艦は大破ですむ。このまま沈むよりはマシだ!」

「了解しました。ブリッジよりカタパルトへ、ヴェルフェゴール緊急出撃願います。なお、エーテルドライブでの出撃のため、総員衝撃に備えておいてください。」

艦内全域にオペレーターの声が響くと同時に、緊張感とクルーのざわめきが聞こえる。

「ニュートリノキャンセラーカタパルト部に集束完了!ヴェルフェゴール、エーテルドライブで緊急出撃!」

「いいか!!出撃直後に荷電粒子エンジンを臨界まで上げておけ!ここが勝負だぞ!」

叫ぶタキオンを尻目に巨大な光を放ちながら発進するヴェルフェゴール。まるで虹のような光が走ると、その光に巻き込まれたキーストンはその宙域から姿を消した。



第一話 「宇宙怪獣」 http://stmc.len.jp/   ここなら音楽つきで読めます。