human being -227ページ目

つりぼり十番勝負《鯉編③》

「あんまりにも大きくって……。

無理矢理入れたりしたら裂けちゃいそうで……。

だからゆっくりゆっくり彼にはアプローチしてもらって……。


それで何とか入ったんだけどもう凄く大きくって。

しかも入れた後、凄い「暴れん坊さん」で………

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まいっちんぐ。」

                   (「つりぼり」勤務・タモ子22歳)

(前回《鯉編》    )



私のチョイスしたポイントがそうだったのかその後も「大物」が何本となく上がり、腕が多少の悲鳴を上げて

いましたが、ここで止める訳にはいきません。


何故なら「三平」こと「パックン」(「あらっ!?フォー?」・好きな女性のタイプは「Big peach」な「ポイ」しない女性)
に後1匹と迫っているからに他なりません。



「パックン」もその後コンスタントに3匹を上げて現時点で7対6と言った非常に肉薄した勝負となっておりました。

時間は当初の予定通り2時間まで、あと10分という所。このままでは僅差とはいえ逃切られ



「お前も成長したなっ!」

などと言われることは目に見えています。



「咥えろっ!咥えろっ!……」

「少しアブノーマルなそっち系のエロヴィデオ」の男優の様なセリフをブツブツと唱え、

ウキを凝視しつつ「気」を送り込みます。





「ディィィィープッ!!!」




沈むウキにアワセて死に物狂いで「鯉」を上げました。




時計を見ると後1分程でしょうか。


「パックン」はここで初めて


「や、ヤヴァい…」

と弱気な声を上げました。





すかさず私は声をかけます。


「えーと、どーすんよ?同点だよなっ!?」


『サドンデス』ってか?………よしっ!延長!」

「引くに引けなくなった接待キャバクラ」でのコールよろしく、「パックン」は「キャバ嬢」に………




いや、つりぼりのおばちゃんに延長を告げに行きました。


さてさらにここからの勝負と気合いを入れ直し糸を垂らすと、つりぼりのおばちゃんがやって来ました。


「お兄さん達、もう一時間、4時間やらない?その方が得なんだけど?」

現時点で3時間。最初の1時間は竿・餌代込みで1000円。

1時間延長に付き800円なので3時間で2600円。
しかし4時間パックと言うお得なシステムならば2500円だと言うのです。



迷わず二人は声を合わせおばちゃんに告げました。


「それでおねがいします!!」





その先は「地獄への片道切符」だとも知らずに………。






《つづく》


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つりぼり十番勝負《鯉編②》

《相談》

「何回しても『ヴィンヴィン』になってしまい、またしてしまいます。ぼくは『変態』なのでしょうか?」

                                                     (N中2年・M夫)

《こたえ》

「そんなことはありません。でもそんな時は運動して汗を流し、その気持ちを吹き飛ばしましょう。」

                                                        (ナース井出)





その後も『覚えたての中2』の如く「竿」を何度となく、立て続ける、『「釣りキチ三平」称号保持者』こと

「パックン」(「フォー」(ベトナムの麺では無い)・好きな女性のタイプは「毛深いのは嫌いじゃないが、嫉妬深いのはごめんだ」と

ちょっとウマい事言わせない女性) はまだ1匹も上らない私を尻目に4匹を上げました。

「いやいや…まいったなっ!」


あまりの悔しさに私の竿は小刻みに震えだしておりました。



「あれあれ?ヤル気なくなっちゃったかなぁ?」


蔑むような微笑みをきっと浮かべているのでしょう。

私はただただ真直ぐ自分のウキのみを見つめていました。



まだまだ始まったばかり。


逆転するチャンスはまだまだあると竿先を揺らせつつも己を鼓舞します。



「またまた無視かよっ!」

そう言う「パックン」には答えず、「ちょっと咥え、またちょっと咥え男を焦らす小悪魔ちゃん」のような

鯉との格闘を再開させました。




すると今までに無かった「アタリ」に私のウキが水中深くへと吸い込まれて行きました。





「ゲッツッ!!!」


声高らかにアワセの体勢へと入り、竿を天へ向けヴィンヴィンに立てました。


大きな手応えに何とか縁際へと魚を導きます。

反撃か体を翻す「鯉」の姿が見えました。



「デカっ!!!!!」


どう見ても横に用意した「タモ」では掬えそうにありません。

ここに用意された最大の「タモ」はパックンの近くに立て掛けられています。


「や、やばい!!!タモに入らないかもっ!?」


「またぁ………大袈裟なん…………デカ!!!


さすがに「パックン」もその大きさにびっくりしたのかタモを持って走って来ました。


何とかして上げ、タモで掬ってくれる「パックン」。



その大きさは今まで見た事の無いほどで、あまりの「ジャンボ」っぷりに二人で息を飲みました。




「大物」を上げた余韻に浸っていると、「パックン」が言いました。



「デカいねぇ。『4匹分』くらいあるんじゃね?



・・・・・・・・・・・・・・・。






「大物」を上げた喜びは束の間に消え失せ、リードする者の余裕のコメントで「数」で負けている現実が

襲いかかって来ました。



「さ、三平師匠、ありがとうございました。」

御礼もそこそこに次のアプローチに入りました。




「なかなかやるねえ。『五平』も!



「あ…ありがとう……ございます………」





「数」だ。




「数」を稼がなくては……。



私のリベンジの炎はこれ以上無い程の燃え上がりを見せるのでした。





                                                                《つづく》

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つりぼり十番勝負《鯉編①》

「三平師匠、今日はよろしくお願いします。」

歯を食いしばりつつも私は「パックン」 (アラフォー…つうより『フォー』・好きな女性のタイプは昼は男の半歩後ろを付いて行きつつも、夜は先頭集団を牽引するトップ・ランナー的な女性)

に頭を下げました。


「まあ、精進しろよ。」

確実に上からの物言い。



しかしながら今回私はこのままで終わらせる気はサラサラありませんでした。




今回は先週「三平からの手紙 」でご紹介した「つりぼり」、「鯉」での勝負です。

1時間で2匹の「パックン」を上回る実績を携えて自信もそこそこに今日と言う日を迎えたのでした。

この日を迎えるにあたり、眩しい陽射しから目を守るため、また気合いのの象徴として

「オリジナル・キャップ」も用意しました。



こちらです。


人間発電所-090220_2341~01.JPG




「つりぼり」は人と魚の戦い。


「魚」を網羅すると言う意味で「魚博士」の「さかなくん」をセンターに配置。

また「芸能界の釣人のカリスマ」・『松方弘樹』もサイドにプリントしてあります。


「おさかなちゃんが食べる餌は美味しくなきゃダメっ!」


と「餌」をバクバク食べる腕白ップリを見せる社長で有名な「マルキュー」

「はり秀」「RYOBI」などの釣りメーカー、キャップをも100円で提供してくれた「ダイソー」も網羅しました。

(別に「スポンサー契約」してないけど。)





「気合い・キャップ」を被りいざ出陣です。

受付を済ませるとすぐさま私は先週その実績を作ったポイントへ向います。
「パックン」もココと言うポイントは決めてあった様です。

その距離はおよそ10m程。

間違なく「仲良し二人組がワイワイ楽しく糸を垂らす」距離にしては遠過ぎます。


「会話も微妙じゃね?」

やや大きめな声で「釣りキチ三平」の称号保持者「パックン」が言いましたが私は返事をせず

ウキ下を合わせてリリースの体勢へと入りました。


「うわっ!無視かよっ!」

笑いながらも「パックン」もリリースに入りました。



そう。

その余裕の表情が私の闘志をさらに燃え上らせるのです。


何としても「ファースト・キャッチ」を我ものとして「ロケット・スタート」を見せ、

敵の戦意を喪失させるのが今回の私の作戦。

ペチャクチャと無駄な会話を楽しむ余裕など1秒もないのですから。

そんな私の闘志を感じ取ったのか「パックン」もその後は言葉もなく釣りに集中をし始めたのでした。


私の「ウキ」は「ファースト・アプローチ」から既に過敏な反応を見せる

「好奇心旺盛なヤング・レイディ」の表情を隠しはしませんでした。


「イケる……。」


「ダイナマイト・スタート」によって屈辱に歪む「パックン」の顔が目に浮かびます。


「『三平師匠』、参りました…。」

そう言って頭を垂れ…涙ぐむ「パックン」を私が………










「よしっ!!」

竿をヴィンヴィンに立てた「パックン」が鯉と格闘しています。



「え゛え゛ぇっ!!!」



                                                              《つづく。》




前回「つりぼり十番勝負」の戦いの火種、《ヘラブナ編》はこちら     





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