マッチ売りの少女 | human being

マッチ売りの少女

「ねぇ!ママっ! ママっ!お話してよ! 」


「あらあら仕方ないわねぇ。何がいいの?」


「えっと…『マッチ売りの少女』


「はいはい。では、はじまりはじまり………」



むかしむかし、雪の降りしきる大みそかの晩。

みすぼらしい服を着たマッチ売りの少女が、
寒さにふるえながら一生懸命通る人によびかけていました。


「マッチは、いかが。マッチは、いかがですか。
誰か、マッチを買ってください」


誰も立ち止まってくれません。


でも少女は、帰ろうとしません。

なぜならマッチが一本も売れないまま家に帰ってたらお父さんは
けっして家に入れてくれません。


それどころか、


「この、役立たずめ!」

と、ひどくぶたれるのです。





少女はあまりの寒さに、家と家との間に入ってしゃがみこみました。

それでも、じんじんとこごえそうです。


「そうだわ、マッチをすって暖まろう」

少女はまずはアルミホイルを器用な手つきでお皿型にし、
先日この通りで出会った密売人から譲ってもらった白い粉を





「…マ……ママ。」



そしてマッチを使って「アブリ」をはじめストロー



「ママっ!?」



そのうち幻覚で鳥の丸焼きは見えるわ、シャンペンは見えるわ、
何だか寒さも感じなくなり完全にキメ





「おやすみなさいっ!ママっ!」


「はい。おやすみ。」