秋・初体験物語Ⅲ | human being

秋・初体験物語Ⅲ

こめかみに走った鋭い痛み。



わたくしはマイ・ラブリン・ワイフ「ジャイ子」の「ウォーズ・マンのベア・クロー」並みの爪での「アイアン・クロー」によって我にかえったのです。


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「おいっ!何個喰うのよっ!!」



あまりの想像を超える美味に快楽に溺れわたくしは「わらび餅」を無心に口へ運んでいたようです。

きな粉と黒蜜で汚れた口の周りをわたくしは丁寧に舐めとりながら、「わらび餅」の余韻に浸るのでした。



そしてわたくしは思うのです。

こんな快感はまだまだあるんではなかろうかと。

何故ならわたくしは

「和菓子童貞」

なのですから。


今まで経験していない和菓子を考えました。





「ぜんざい」。

「和」の甘味の代表といった趣。
その言葉の響きが何ともいい。
凛として上品なその響き。

京都に住んでる御令嬢のような……。
しかしながら何をもって「ぜんざい」なのか?

その定義すらはっきり解らないのでした。


定義が解らないと言えば、「ぼた餅」と「おはぎ」って何が違うんですか?


うって変わって何とも妖しくスケベな響き。
「ぼた餅」って。

「ぼた」って……。




「もう……『ぼったぼた』なんだから…ぽっドキドキ

いやはや何とも妄想が膨らみます。



「おはぎ」は?


田舎で暮らすある娘。
帰省して宿泊する知り合いの家。
その夜の宴会後。
甲斐甲斐しく床の準備をしてくれている娘に酔いも手伝って……
嫌と言いながらもまんざらでも……




わたくしは何の想像をしているのでしょうか?
きっと病気なんだと思います。



「『おはぎ』なら家のお母さん作るよ。」



知らず知らずのうちに口から勝手に「和菓子」の名が流れ出ていたようです。

「ジャイ子」がそう言ったのでした。




                                      【つづく】