秋・初体験物語 | human being

秋・初体験物語

ある日の昼下がり。


わたくしとラブリン・ワイフ「ジャイ子」はまったりとした時間を過ごしていたのです。
ごろごろと寝そべってただただ点いているTVをぼーっと眺める、そんな昼下がり。


スイート・ハニー「ジャイ子」はおもむろに立ち上がって何かを持って来たようです。
どうやら買い込んでおいたスウィーツのようです。

ちまちまと何やら準備をし、食べ始めたご様子。

このままでは独りで「御馳走様」を迎えること請け合いです。


何故って


「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの。」


孤高の「ジャイアニズム」の継承者、それが我が愛妻「ジャイ子」なのですから。



「何を食べてらっしゃるのかしら?」


「え?『わらび餅』。」


「『わらび餅』って何だっけ?」



「はあぁっ!?むかっ


一瞬に想像したわたくしの頭の中では「丸い緑色のつやつやした餅」だったのですが、振り返った先のジャイ子が抱えたその『わらび餅』はわたくしの想像と少しも同じでは無いのでした。

わたくしはあまりの想像とのギャップにプチパニックを迎えるのでした。



え?何?何?粉?こんにゃく?味噌?味噌なの?田楽?




「あんた、何言ってんの!?むかっ



突然左頬を張られ我に帰るわたくし。



落ち着こうと一呼吸し、その「わらび餅」なる物体を凝視するのでした。






白、いいや。
白濁というよりは少々灰色がかったみずみずしい三角に切られた物体に、おそらく「きな粉」と思われる茶褐色の粉末が下の物体を覆い隠す程ふりかけられていた。そして黒く艶めいた粘度の高い液体がその頂から下へと垂れている。




わからない。


40年近く生きてきたわたくしの記憶のアルバムには全く載っていない形状とその様相。



「何ガン見してんの。どうせ食わないでしょ。」



わたくしはジャイ子に呟いたのです。




『わらび餅』見るのも食うのも初めてだわ………ぽっドキドキ




そうです。



わたくしは「和菓子童貞」なのです………ラブラブ



                                       【つづく】